第七斬【襲撃】
第七斬【襲撃】
二人は道中、鉄心に色々話を聞いていた。
「あんたは、何でこんな組織を作ったんだ?」
幸弘が最初に聞いた。
「うむ…それはな、わしはある伝説の刀を欲していたのだ」
「伝説の……「闇刀」だな」
大悟が興味を込めて答えた。
「そのとおりだ。その刀を求める者たちを集めたら、あんなにも集まってしまっての…」
「それで、大変になって手分けをさせた。」
幸弘が続けた。
「そのとおりだ。今お前達の仲間になったが、今ではあの事を物凄く後悔している…」
鉄心が顔をしかめる。
だが、その顔はじきに希望へと変わった。
「だが、お前達と居れば、いずれ見つかると思ったのだ」
「そうか…」
幸弘が納得をして、空を見上げる。
ふと、何かに気づいた。
「おい、あれ…煙か?」
大悟が見ると、なんとその方向は白百合家ではないか。
「!…桜井、手伝え。…仕事だ」
大悟は気づいたとたんに走り出した。
「どうした大悟!」
「着いてからな」
三人は走った。
「遅れるな…」
大悟が呟いた。
しかし、三人は手遅れだった。
白百合家は炎上している。
火で囲まれた広間には倒れた柱が見えた。
奥の方にはまだ火は回っていない。
「なんだこれ!」
大悟が叫ぶ。
「とにかく、まだ火が回っていない奥に進もう」
鉄心が言った。
三人は全力で走る。
奥に行けば行くほど火は薄れてきた。
「もう少しだ!」
と、言う所で、一人の男が現れた。
「あんたら…誰だ」
「白百合家を助けに来たのさ」
幸弘が即答する。
「フン……悪いが、通さない」
男は鞘に触れ、仁王立ちをする。
「何だと、拙者たちを通せ!」
大悟が刀を構えて切りかかる。
「…フン」
男はかかってくる大悟に突っ込んだ。
「なっ…」
次の瞬間、大悟の腹は切られた。
「これが、「居合い」だ」
「がはっ…」
大悟はその場に倒れた。
「大悟!畜生ぉぉぉ!」
幸弘が切りかかる。
「止めろ!桜井!今のお前じゃ無理だ!」
鉄心が叫ぶ。
幸弘はそれを無視し、切りかかる。
「…我を忘れるな」
男はしゃがみ、上に向かって斬りつけた。
「ぐぁっ…」
幸弘の胸から流血する。
「…言っただろう、通さん、と」
意識の薄れる中で、大悟は聞いた。
「お前は…」
「俺は、木佐貫大助。覚えておけ…」
そう言い残し、男は去って行った。
「大悟、桜井、わしが向かう。お主らは待っておれ、頑張れよ。絶対死ぬな」
鉄心も行った。
大悟と幸弘はその場で倒れた。
「光子…伝助殿…」