第五斬【大悟の実力】
第五斬【大悟の実力】
「ヒィィ…」
大悟は悲鳴を上げた一人を睨んだ。
「おい、そこの怯えている奴」
「えっ!?お…俺?」
「そうだお主だ」
大悟は怒り気味になっていた。
「ふ、フン、俺は幹部副隊長の、あ、赤川秀介だぞ」
すると、赤川は手で仲間に何か合図を送った。
大悟はそれを見ていなかったようだ。
「お前の目…卑怯だ」
大悟が言う。
「なっ…ひっ、卑怯?」
赤川の背筋に冷や汗が出た。
「何か企んでいるだろう…」
「んな事ねぇ…」
大悟の目は鋭かった。
「とりあえず、殺るか」
大悟は火口の血がついた刀を取った。
「ヒィィ…」
大悟は一気に降りかかり、赤川の頭直前で止めた。
「ぎゃああ!」
その刀は大悟の後ろへと回された。
どうやら、さっきの合図で飛び掛ってきた仲間を切るためだろう。
「ばっ…」
その仲間は首を切られた。
「だ、大門!」
どうやら幹部の一人らしい。
「大門さんがやられた…」
門番は逃げ出した。
「それみた事か…卑怯だっただろう」
「ヒィィ!お、お助け!」
「誰も…外道は助けん」
大悟の刀は首筋に向かった。
しかし、それは失神していた火口によって止められた。
「や…めろ」
「…お前はもう、止めておけ」
大悟の声に説得されないだろう火口は、抵抗をする。
「う…るせぇ…俺はまだ…ゴホッ」
吐血をする火口。
「…止めておけと言ったはずだ」
大悟の刀は火口の首を通った。
鮮血が飛び散る。
「ワァァァ!火口さんまで!」
大畔を連れて来た仲間が叫ぶ。
「火口!ヤロオオ!」
赤川が飛び掛ってきた。
大悟は赤川をしゃがんでかわし、下から腹を殴りつけた。
「がはっ…」
赤川が地面でうごめく。
「痛ェ…」
「お前も、同じように報いを受けろ」
大悟は振り下ろし、背中に突き立てた。
「がはぁぁ!」
赤川も吐血をし、死んだ。
「何だコイツは!強すぎる!」
大悟は布を火口の副から取り出し、刀を拭いた。
「…次は?」
拭きながら大悟は睨む。
そこで、門番が現れた。
「ハァ…ハァ」
「…何の騒ぎだ」
そこにいたのは、長い白髪の人間だった。
「あんたは…誰だ?」