第二十七斬【欲望に負けた正義】
第二十七斬【欲望に負けた正義】
二十四時間に渡る闇刀捜索作業が始まった。
半日を終えた所で休憩を取った。
「ふぅ〜」
大悟が椅子に腰掛けた。
「これは…なんだ?」
光子が鉄心に差し出した物は、未知の物体だった。
「かき氷機、です」
「何だそれは」
光子はかき氷機の事を説明した。
「…ほぅ」
光子はそれで氷をもってきた。
「かけものはどうします?」
全員が苺に決めた。
イチゴシロップがかけられたかき氷を口に運ぶ大悟。
「美味いっ!」
誰もがそう言った。
そして休憩が終わった。
どうやら伝助が連絡を取ったらしく、嵐山軍団がやってきた。
「俺らも死んじまったら、意味が無い」
勝也が言った。
そして、もう半日、探索は始まった。
村中の徹底捜索は、疲労を溜まらせた。
そして…
「これは…」
大悟が一つの箱を見つけた。
その箱は今までと違う雰囲気を発していた。
「おい大悟、これがそうじゃないか…?」
幸弘が箱に触れる。
「危ないぞ」
箱は地面に置かれた。
幸弘がみんなを呼び集めた。
「これかもな…」
いつの間にか来ていた関谷が言った。
その時だった。
大助が飛び込んできた。
「やばい。あの壊滅したハズの青龍牙隊が…」
大助の説明はいらなかった。
外で声が聞こえる。
騒がしい。
大悟が外に出た。
そこで見たものは、あの説得したハズの龍二だった。
彼は、闇刀がある事を知らずに向かってきた。
「出て来い!黒狐の連中!」
龍二の叫び声だ。
そして龍二は大悟を見つけた。
「貴様…何だその箱は」
龍二はそれを開けてしまった…。
その瞬間。
龍二の手に闇刀がくっついた。
「くっ…何だこれは!」
龍二が抵抗するが、一目みると、すぐ分かったらしい。
「ハハ、闇刀よ、ブザマだな、わざわざ俺の所に来るなんて…」
しかし、龍二の声は途切れた。
龍二はその手で仲間を殺したからだ。