第二十六斬【仇うち】
第二十六斬【仇うち】
「来たぞー!」
大きい叫び声と共に、嵐山軍団の総隊長の勝也が向かってきた。
「ついに来たか。勝也」
伝助が出てくる。
「伝助殿、奴ら…」
「ああ、とる気が無い」
伝助も大悟も分かっていたようだ。
その軍団には活気が無かった。
全員が歩いていて、刀を抜いていない。
「伝助!」
勝也が伝助を呼ぶ。
おそるおそる出てみると、勝也は刀さえ持っていなかった。
「なんだ、勝也」
「すごい事が起こる」
勝也はそう言った。
確かに。
「何だ?」
伝助は疑問を抱く。これは伝助も知らなかっただろう。
「例の【闇刀】だが、近くにある」
「何…」
勝也の話の内容はこうだった。
手にした者は大いなる力を手に入れる事が出来る。
その代償に、心を失うのだ。
殺戮を繰り返し、最終的に人類を滅ぼすと、刀は折れる。
それが闇刀だった。
それが、この付近にあるから早く非難しろ。
というものだった。
「それを手にしたら…まずい、逃げなくては」
伝助は急ぎ足で光子と鉄心と庄次に知らせた。
「何だと…」
「急いで避難しましょう」
「お父さん、どうするの?」
いっきに言葉を喰らい、たじろいだ伝助。
「うむ…まずはいったん全員を非難させてからだ」
そして、伝助は支持を出した。
村中の人にも連絡を入れた。
そして、村中が人で埋め尽くされた。
しばらく経つ度に人影は少なくなっていった。
「よし、非難完了」
「探すぞ!」
大悟が叫んだ。
同時に、幸弘が動き出した。
「探せ探せ!危ないぞ!」
鉄心も叫ぶ。
そして、村中の探索が始まった。
白百合家は光子と伝助。
黒浪連合元基地を鉄心と庄次。
大悟と幸弘は外を探した。
「父上の仇…」
大悟が呟く。
「絶対取る…」