第二十一斬【幹部登場】
第二十一斬【幹部登場】
「俺は清龍牙隊の幹部、瀬山幸助だ!」
やっとお出ましの幹部が現れた。
「幹部?」
「やっと出てきたか」
幸助は八人の前に立ちはだかった。
「果たして、八対一で勝てるかどうか…」
関谷が侮辱した。
「今から分かる」
幸助がだいぶ余裕のある声で言った。
「なんだと?じゃあ…見せてみろ!」
大助が突っ込んだ。
「止めろ!大助!うかつに突っ込むな!」
勝也が叫んだが、遅かった。
大助は切られた。
腹部から鮮血が飛び出る。
「大助!畜生ぉぉ!」
龍之介も突っ込む。
その手を越美が止めた。
「駄目よ、龍ちゃん。今行ったら…」
「えっちゃん…」
大助は苦しみながらも立とうとしている。
「くっ…貴様…」
明らかにさっきの幸助の攻撃は見えなかった。
腕も振っていなかった。
「ククク…見えなかったか?」
見下してはいられない。
勝也はそう思い、前に出た。
「総隊長!駄目だ!」
大助が叫ぶ。
その声が聞こえないフリをし、勝也は幸助の前に立った。
「ほぅ…俺とタイマンか」
幸助は余裕を出して言う。
「部下はもう傷つけさせない…」
そう言った勝也は刀を抜いた。
「覚悟しろ!嵐山軍団に手を出しやがって!」
勝也は決意を決めた。
死んでも部下を守る。
「行くぞ!」
勝也は一気に刀を振る。
やはり幸助は動かない。
勝也はひるんだ。
「くっ…」
それでも切りつける。
「なんだ!俺の攻撃を耐えて…」
次の瞬間、幸助は切られた。
「ぎゃああ!」
体を前から斜めに切られた。
「どうだ…嵐山軍団の強さ…見たか!」
幸助は体を縮めて苦しんでいる。
「初めてだぞ…俺を傷つけたのはよぉ…」
幸助はそれでも立った。
「なっ…」
流血を気にせず止血もしようとしない。
「部下の前で死ね」
幸助は初めて刀を振った。
勝也は覚悟を決めた。
その時だった。
刀が止められた。
「なんだぁてめぇは!」
そこにあったのは大悟の姿だった。
「大丈夫か?勝也殿」