第二斬【組織】
第二斬【組織】
「では、宿泊、お願いします」
と、大悟は深く頭を下げた。
「いえいえ、どうぞ、極楽で…」
外はすっかり暗くなっていた。
「では、拙者はそろそろ…」
「はい、おやすみなさい」
何故だか、光子が敬語を使い始めた。
そして、大悟は部屋と指定された所に入った。
その晩は何事も無かった。
そして夜が明けた…
外は明るくなっていた。
「おはようございます。朝ですよ」
「…ムッ、もう朝か」
大悟は瞬時に動き、起きた。
「では、今から朝食をとります」
「ああ、悪い」
その朝食の時、光子の父親が出てきた。
「おお、お主が大悟とやらか?」
「はい、どうもお世話になっております…」
大悟は再び頭を下げた。
「いやいや、そんなかしこまらんでも…」
「一泊のお礼は重いものです」
「礼儀正しいの」
朝食を取り、光子の父親との会話が始まった。
「わしはこの家とこの村の長、白百合伝助と申す」
「え、村の…」
「うむ、わしはこの村の村長でな」
「ほぉ」
しかしそこで伝助の顔つきが変わった。
「だが、実はの…謎の軍団というか…組がのぉ」
「は?組…ですか」
大悟も興味を持った。
「うむ、その組織が、所かまわず訪れた里の村を荒らし、豊臣秀吉のような「刀狩」をやっているらしい」
「どうして、また…」
大悟の表慈雨がこわばった。
「この時代、どこかに潜む謎の伝説の刀、「闇刀」と言う物を探しているらしい」
「闇刀…」
「それで、今この村に来ているのだ」
「…拙者が行く」
大悟は言い出した。
伝助の表情が変わる。
「行く…?組織へとか?」
「はい。拙者も、闇刀には興味がある。行ってみる」
「そうか…お主がその気なら、止める事はあるまい。行ってくるがよい」
「はい」
大悟は伝助に地図をもらい、その組織の本部へと向かった。
「大悟さん、気をつけて」
光子が玄関で見送りをした。
「ああ」
大悟は歩いていった。