第十三斬【最強の師匠】
第十三斬【最強の師匠】
「お邪魔いたす」
伝助がそう言って扉を開けた。
「…誰だ」
ごつい声が聞こえて、光子が少し退いた。
「伝助だ、西郷、お前に頼みがあって来た」
「…頼み?…とにかく上がれ」
西郷と呼ばれた男は五人を通して家に上げた。
「で、頼みとは何だ?」
西郷と言う男は伝助に問いかけた。
「いや、実はな、わしの命の恩人の大悟と幸弘に修行をさせたいんじゃが…」
「…大悟?幸弘?」
大悟が密かに反応した。
「はい、拙者です」
「はい」
「…俺は黒狐の総隊長、西郷重治だ」
「拙者は、五十嵐大悟と申す」
「俺は桜井幸弘」
自己紹介が終わると、重治は言った。
「…お主ら、体格は非常に良い。だが、実力も見てみないとな…」
大悟は即答する。
「実力…か」
「楽しめそうだな」
幸弘も笑みをうかべた。
「ではまず、力試しだ」
重治は顔をこわばらせて言った。
「何を?」
「簡単だ、俺と戦うのだ」
重治の目は本気だった。
もちろん、手加減はしない。
「殺していいのか?」
「まてまて、俺に一撃でも加えれたら弟子として認めよう」
「楽勝ではないか、桜井、本気で行こうぞ」
「うむ」
大悟の目は期待に満ち溢れている。
もうすぐ認められる。
もっと強くなれる。
「では…はじめ!」
鉄心の合図で、幸弘が踏み込んだ。
「甘い!」
踏み込みした足を踏み、重治は幸弘の刀を弾いた。
「なにっ!」
しかし、大悟が残っていた。
「ふん…俺の背後を取るとはな」
しかし大悟は攻撃をしてこなかった。
「どうした大悟!」
幸弘が叫ぶ。
重治は接近した。
「所詮は無駄足か…」
しかし、次の瞬間、大悟は、居合い斬りをした。
「なにっ…」
しかし、重治はギリギリでかわした。
「なんと…拙者の居合い斬りをかわすとは…」
「なかなかやるな…では俺も本気を出させてもらう」
その言葉に幸弘は呆然とした。
「今までので普通の実力か…?」
重治は上半身を裸にした。
「さぁ…来い!」