第十二斬【他国の料理】
第十二斬【他国の料理】
「ここが中部地方…ねぇ」
幸弘が言う。
「ふむ。見た事も無い土地を見るのはよい事だぞ、桜井」
と、大悟。
「では早速師匠の元へと行くぞ」
伝助が自身たっぷりに言って歩き出した。
途中で大悟が聞く。
「中部地方最強の軍団って何なのだ?」
その質問に一番詳しい鉄心が答えた。
「うむ。それはな、「黒狐」と言う名の軍でな」
「黒狐か…」
「その軍の総隊長が、伝助殿の友人なのだよ」
大悟は関心した表情を見せた。
いつもより楽しそうな顔だ。
「旅行気分ですか?」
光子が聞いてきた。
「ん、ああ。まぁ…」
大悟は上手く答えれなかった。
伝助は説明を入れた。
「ちなみにここは非常に美味い料理が出ると聞くぞ」
大悟は反応した。
「なにっ、飯?」
早速その名料理店へと入った。
「ご注文は?」
大悟はお品書きを見て、
「じゃあ、拙者はこの「えびぐらたん」とか言う奴を…」
「かしこまりました。そちらは?」
と、店員が鉄心達のほうに行く。
鉄心が答える。
「わしは、じゃあ…「くりーむしちゅー」と言う…」
「俺はじゃあ…「こーひー」?を」
「私は、色団子を」
「わしはこの「かれーらいす」とかいうのを」
「かしこまりました」
みんなカタコトになっていた。
そして、しばらく待って料理が出た。
「これ…美味いではないか」
大悟がエビグラタンをほおばる。
幸弘は微糖のコーヒーを飲み、違和感を覚えたらしい。
クリームシチューを頼んだ伝助は、美味そうな顔をして口を白くしていた。
光子は静か〜に団子を口に運ぶ。
しかし、ただ一人だけ、カレーライスを頼んだ鉄新は辛そうな顔をしている。
「これ…辛いのぉ…」
その時鉄心は店員に水を頼みまくっていた。
食事も終わり、師匠の所に行く時になった。
そして、しばらくして、ある看板が見えた。
「黒狐 本部」
「本部?別の所もあるって事か」
「では、入ろうかの」
伝助が先頭で、屋敷のドアを開けた。