第一斬【出会い】
時は明治時代中盤…
侍の居た最後の時代。
この侍の最後の時代に、壮絶な戦いの火蓋が切られた。
1882年。
ある村での出来事…。
第一斬【出会い】
「腹が減った…」
空腹を誰かに訴え、街道を歩く若者。
「誰か…」
彼はもう死にそうな状態である。
「何か食べ物…」
彼はとうとう倒れた。
しかし、彼は運良く、その街道を歩いていた一人の若い女性と出会う。
「めし…」
呟く男。
女性は彼をおぶって、走っていった。
ふと気がつくと、男は家にいた。
「ここは…」
「私の家よ。もう大丈夫だわ」
男の目の前に居たのは、女性だ。
「あんたは…」
「私は、白百合光子。みんなは「みっちゃん」と呼ぶわ」
「そうか…」
男は腹の虫をならした。
男の顔が赤くなった。
「フフフ、今、ご飯の支度をするわ」
そう言い、光子は台所へ行った。
しばらくしてから、ご飯が出た。
男はガツガツと飯を詰め込む。
「ところで、貴方のお名前は…」
「拙者は、五十嵐大悟と申す…」
「へぇ…ダイゴさんか…」
会話が終わると、大悟と言う男は飯を食った。
「フゥー…助かった。礼を言う」
「いえいえ、そんな…」
大悟は礼儀正しかった。
土下座までして食事のお礼をした。
「ところで、貴方はこれから何処に?」
光子が聞くと、大悟は暗い顔をして答えた。
「あてもない…」
「だったら、私の家に泊まりません?」
光子は大悟の顔を覗きながら言った。
「うむ、そうしよう…」
そうして、大悟は光子の家に泊まることになった。