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【プロットタイプ】救われ、苛まれる

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

人って、人が思うよりも、脆くて弱いんだよね。

あの頃に戻れない事が、何よりもしんどい。

朝目覚めると、隣室から何かが落ちる音がした。鈍く、重く、そして何処か柔らかさを伴った物だった。俺はベッドから飛び起きると、足早にドアを開けた。

目の前に広がっているのは、ベッドから崩れ落ちた鏡花だった。

「おい。しっかりしろ」

返事は無かった。ただ僅かに頭部が上がり、虚ろな二つの穴が此方を射抜くだけだった。

「今日……休む」

「あぁ」

そう言うと、床を這う様にして、会社用の鞄に手を伸ばし始めた。俺は其れを引っ掴むと、鏡花の手付近まで引き寄せる。そうして倒れ込んだまま、連絡を入れた。

「体……貸して欲しいんだ。支えが無いと、起き上がれ無いんだ」

そう言うと、先ずは俺の手に自分の手を重ね、方に左手を置き、体重を掛ける様にして、ベッドまで戻った。顔や首元、腕に触れる。通常よりも高い体温が、此奴の体を襲っていた。

「有難う。もう行って大丈夫だから……。何もしなくて良いから。一人にして……大丈夫」

そう言ってただぐったりとしたまま瞼を閉ざした。


人は人が思っているよりも弱く、脆い。些細な事でも傷付き、動けず、無理が効かない。今だって支えが無いと動くことさえ不可能だった。

兎に角、怠くて、腹が痛くて、脈が安定しない。歩く事は疎か、立ち上がる事さえ出来ない。芋虫のように、這い回る事しか出来ない。惨めである。人としての尊厳が奪われたと思う程に。

そうしているうちに、何時の間にか気を失っていた。

次に目が覚めた時には、朝の十時を回っていた。既に会社では就業規則に則って、業務が始まっている事だろう。けれども今、罪悪感は無かった。あるは休みの安息と、明日の不安感だった。

此処までボロボロにされると、きっと出社途中の階段で倒れ込むだろう。席に着いても、昨日と同じ様に、指が動かないだろう。だから休んで正解だった。今の私は何も、何一つ出来ないのだから。

けれどもこれが明日も続いたら? 明後日になっても苦しいままなら? 私はこの家から出る事は叶わなくなるのだろう。そうしたら、私の人生はどうなるのだろうか。いいや。それよりも、これが毎月、毎月続く事になったら、損失はどうなるのだろう。

ただ今は苦しい。その苦しみによって救われ、苛まれる。脈が安定しない。ただまともでは居られない。

人は脆く、弱い。容易く傷付き、命を落とす。

だからこそ、拠り所が必要なのだ。支えが必要なのだ。

なんて御言葉が脳内で反芻してます。


諸行無常です。

あの頃に戻りたいと切望しても戻れないし、弱体化の一途を辿るばかりだし。

こんなのが毎月続くのかと思うと、廃になりそう。

休んじゃいけない日なのに休んでるし。


明日は動かないと。意地にしがみついて。

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