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#078

――ミントがノピアと共に去って行ってしまった後。


アンとブレシングは、兵器の研究所――レジーナとソウルミューのところへと来ていた。


二人は偶然ノピアと遭遇したことと、ミントが自分の意思でストリング帝国へと行ってしまったことを伝える。


ソウルミューはそうでもなかったが、レジーナはその話を聞いて驚愕。


彼女はすぐにそのことをパロットに伝えるため、アンたちの前からいなくなる。


残されたアンは、ソウルミューに訊ねる。


「君はあまり驚いていないようだな」


「そりゃそうだよ。あのお嬢さんならそうなるって、なんとなくわかる。つーかよぉ。あのお嬢さんだけじゃなく、まともなヤツなら今の連合国に反感を持ってるのがフツーだろ?」


ソウルミューの返事に、アンは何も言うことができなかった。


それは、彼女がミントのことをよく知らないということではなく。


それだけソウルミューの言葉に説得力があるからだった。


現在の世界は連合国上層部の一部のみが富を得ていて、それに異を唱える者は断罪される状況だ。


そんな連合国が誕生したのは、今から五年前の話――。


ある宗教団体によって、世界は崩壊寸前へと追い込まれた。


その影響で、それまで世界を統べていたバイオニクス共和国が滅亡し、各国が好き勝手暴れるという群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の時代となった。


その中で台頭してきたのが、ローズ·テネシーグレッチが率いたストリング帝国だった。


だが、ある少女を中心にアン、ソウルミューら仲間たちの活躍によってローズは戦死。


それに協力していた勢力エレクトロハーモニー社も壊滅した。


その後に代わりとなる秩序が必要となり、レジーナの国――オルゴー王国を中心に現在に繋がる連合国が建国。


世界は再び平和を取り戻した。


しかし、平和のために戦った者たちは連合国からその力を恐れられ、まるで犯罪者のように扱われた。


アンのようにそのことを受け入れた者は、連合国軍の管理下に入り――。


その扱いを受けいれられなかった者は、その姿をくらませた。


中にはソウルミュー、リーディン、ウェディングのように、一般人として生きる道を許された者たちもいたが――。


その多くは指名手配として、未だに連合国に追われている。


「オレはノピア·ラッシクに会ったことはねぇけど、こないだの映像は見た。あのヤロウの言ってることは大体あってんだろ?」


「君は……あいつを正しいと?」


「正しいとか間違っているとかじゃねぇよ。ただ連合国が気に入らねぇってとこは賛成してる」


「……そう思っているのに、どうして君はまだ連合国側にいるんだ?」


アンが訊ねると、ソウルミューはニカッと口角を上げて歯を見せた。


そして、持っていた酒瓶をテーブルに置いて答える。


「いくら連合国が腐っていたって、この世界を守った仲間たちに……死んじまったヤツらに不義理できるかよ。アンタならそんくれぇわかんだろ? くだらねぇこと訊いてんじゃねぇよ」


「あぁ、すまない。くだらないことを訊いた」


そう言い返したアンの顔は、少し微笑んでいるようだった。


そして、彼女はその微笑みのまま言葉を続ける。


「君は……本当に頼りなるな、ソウルミュー」


「うん? んなこたぁねぇよ。オレはただのアル中のクソ兄貴だ。さてと、じゃあアンタ用のRELAY-Gの最終調整してくんわ」


ソウルミューはそんなアンから顔を背けながら、その場を去って行った。

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