表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/197

#004

街中で行われている軍事パレードはさらに盛り上がっていき、ブリキの玩具のような兵隊と楽団が行進を始めている。


可愛らしい兵隊と楽団。


その行進に合わせて音楽が流れ出す。


エヌエーが買ってくれた各国の屋台の料理を食べながら、子供たちは両目を見開いてその光景を楽しんでいた。


その様子を見て、アンはため息をつきながらもその無表情が崩れていた。


「まあ、滞在中はいいか……」


「そうそう、せっかくのお祭りなんだから」


はしゃぐ子供たちを眺めながら、並んで笑みを交わし合うアンとエヌエー。


こうやって仕事を休んで顔を合わすのも久しぶりとあって、先ほどこそ揉めていたが、二人も子供たちに負けず劣らず嬉しそうにしている。


「メディスンの奴もここにいるんだろう?」


「うん、ワタシはついさっきここに着いたけど。メディスンは仕事で来ているからね」


メディスンとは――。


アンとエヌエーの友人で、これから行われる連合国軍の観艦式の護衛の任務についている男だ。


ちなみメディスンの階級は連合国軍の大佐。


エヌエーは彼と同じ佐官――中佐であり、アンは尉官――大尉である。


このスペースコロニーを囲っている何隻もの宇宙戦艦レインボー艦隊は彼の指揮する部隊ではなく、連合国軍の中将リプリント・イーストウッドの指揮するベクトルという部隊だが。


メディスンもイーストウッドに徴集(ちょうしゅう)され、観艦式に参加しているようだ。


「じゃあ、仕事が終わった後で会えるな」


「そうだね。あッ、ワタシもそろそろ行かなきゃ!」


「おい、どこへ行くんだエヌエー?」


「ワタシにも仕事があるんだよ! 後で合流しましょう。終わり次第すぐ連絡するから」


手にしていた料理をアンに手渡し、慌ててその場を去って行くエヌエー。


どうやら彼女もまたメディスンと同じく、これから始まる観艦式で仕事があるようだ。


パレードを楽しむ人混みを抜けて行くエヌエー。


はしゃぐ子供たちと残されたアンは、彼女の背中を眺めながら呟く。


「迷惑をかけてしまったな。あとで謝らなきゃ……」


アンが仕事中だったエヌエーに申し訳ないと思っていると、子供たちが彼女の服の袖を引っ張って来る。


「ほら、アン姉ちゃんも一緒に見よう」


「スゴイよ! 兵隊や楽団が音楽に合わせてクルクル踊ってるよ!」


子供たちは先ほど喚いていたとは思えない喜びっぷりで、アンは思わず呆れたが。


彼女はすぐに笑みを取り戻す。


「やれやれ、お前たちは本当にゲンキンだなぁ」


「いいからいいから」


「お姉ちゃん! 早くこっち来てよ!」


そして子供たちと一緒に、アンもまたパレードを楽しむのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ