休日の風景
今、私は東海道新幹線の中で書いている。
出張で大阪まで行くのだがかなりイライラしている。
バスが予定時刻を大幅に遅れて次のバスが追いつきそうな時間で停留所に来た。家をでてバスの停留所まで百メートル。すでに十五分経過している。
新幹線の出発まであと四十八分
バスが遅れたせいで乗ろうと思った私鉄を2本分逃した。次の私鉄は急行と準急の通過でホームで待たされる時間が長くなってしまった。
またターミナル駅でJRの切符を買えばよかったが東京まで行くのに地下鉄の方が速いから地下鉄の選択を余儀なくされた。乗らなくていい地下鉄を使って余計な電車賃がかかってしまった。
何か損した気分だった。
新幹線の出発まであと十二分
新幹線は席だけ抑えたが乗車券はまだだったので東京駅の券売機に並ぶが、扱いが分かってるのかないのか。前の客がアレコレ操作するが遠目から見て、気に入った席が見つからないからか席選びの画面に何度も戻ってなかなか決済画面に進まない。
新幹線の出発まであと四分を切った。
朝遅いが朝ご飯は駅弁をゆっくり選んで、という暇がなくなってしまった。駅の弁当売りのおばちゃんが
「いらっしゃいませぇ」
「今のぉ、おすすめはぁ、ナントカ弁当でぇす」
申し訳ないが、急いでいる身からするとのんびりとして喋る口調に、急いでるんだけど!といいたくなる。
新幹線幕の内弁当はつい先月食べたので回避と思って隣の高級幕の内を選んで、「あと、お茶!」と頼んだ。すると
「お茶はぁ、冷たいのと温かいのがぁありますがぁ……」と来たので「冷たいの!」と向こうが言い終わらないうちに返す。お金を払おうと準備すると「お茶は普通の静岡茶と健康茶がぁ」「静岡の!」「すみませ〜ん、お弁当は新幹線幕の内でよろしかったでしょうかぁ……」「それで!」もう間違いを訂正することすら煩わしい。……また新幹線幕の内弁当になってしまった。
ホームを確認して階段を駆け上がる。出発のアナウンスが流れている。
間近のドアに飛び乗って間もなく新幹線走り出した。
結局自分の席に座った時には新橋の駅が見えていた。
まったく慌ただしい。だが間に合ってよかった。
日曜日も忙しい人もいるのだ。
しかし来週私はきっと誰かに言ってやるのだ。
「そんなに急ぐことないじゃないですか?せっかくの日曜日なんだから」