閑話 11
お察しの方も居そうですが、ホラー回です。
苦手な方は抜かしてもらって大丈夫です。
倍率下げていると全文見えてしまうことがあるので、
念のため、本文開始を下げております。
浦賀はスケッチブックの絵が気になって仕方なかった。
ずっと見ている内に、脳裏に絵が思い浮かぶようになった。
やがて、その絵のことしか考えられなくなった。
普通に見れば、それは家族団らんの絵に感じる。
だが、そこにトワちゃんだけが居なかった。
あの絵に描かれていた少女は、多分、ケイの姉の方のトワなのだろう。
ならば、何故。
トワちゃんはあの絵を大切に持っていたのか。
―― 嫉妬か、慈悲か。
何せ、浦賀も火災前、自身の2つの相反する感情に振り回され、困惑した経験がある。
結果的に、浦賀自身は感情を無視することにしたのだが。
この絵を描いた本人は既にこの世には居ない。
つまり、どちらの感情で描いた絵なのか、答えは迷宮入りしている。
もしかしたら、どちらの感情も絵に込めた可能性さえもある。
要は、それほどまでに感情が入り込んでしまった絵だったのだ。
「……この絵は、ヤバイんだって」
ある日、浦賀を呼び出したマイは絵を指しながら言う。
マイは何となく、その絵が危険だと感じていた。
このままでは、兄のように慕っていた浦賀まで死んでしまうのではないか、と。
「よく見て。ほら、コレとか。
黒いペンの上から灰色の色鉛筆で塗られているの、解る?
多分、彼女、霊感があったんじゃないかなぁ」
マイの一言に浦賀は目を丸くした。
あんなに食い入るように観察したのに、気付かなかった。
確かに、良く見れば異なる。
「この絵、全部、最初はペンで描いてあるの。
で、その上からわざわざ色鉛筆で妖精とか、2匹目の犬とか、ドラゴンとか、天使とかが描かれているの。
あとは、この両親の洋服のアクセサリーとか。
多分だけど、着けてあげたかったんだろうね。
それで、ね?
―― この中央の真っ赤な少女、どっちで描かれていると思う?」
浦賀は叫んだ。
ここがファミレスだということも忘れ。
ただただ、発狂した。




