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閑話 03
アイが5年生に、トワが3年生に、自分が1年生になった頃。
本当ならば、平和な日々が続くはずだった。
その日は入学式の翌日だったというのに、熱を出した自分は家で寝込んでいた。
心配したトワが一緒に家まで帰ってきてくれたので、母も安心したのだろう。
母が買い物に出掛けた隙に、男はこっそり帰宅した。
自分がトイレで起き、しっかりと現場を見ていたのにも関わらず。
男は母の大切にしている革のポーチを勝手に持って行ってしまった。
自分は、ソレが何か知っていた。
だけど、トワは首を傾げているだけ。
慌ててトワに取り戻すよう伝えようとした。
だが、トワはただただ困惑した表情をするだけ。
その間に男は家を去って行った。
そうして母が帰ってくる。
自分は、母に革のポーチが男に盗まれたことを伝えた。
だが、母はトワが盗んだと思ったらしい。
トワは押し入れに閉じ込められ、母は部屋中、隈なくポーチを探している。
だが、そこじゃない。
違うんだ、男が盗んだ!
必死に伝えようとしたら、母に初めて殴られた。
何かを言いながら、蹴られた。
すごく、痛かった。




