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とわのゆりかご  作者: 葉月雷音
57/90

鼻を明かす 01

この章で最後になる予定です。

が、書き終えていないので1話ずつに戻ります。

 真っ黒の大陸の統一している魔王国。

 そこでは、本来であれば生まれないはずの勇者が誕生していた。


 ドラグ王国が滅びたと耳に入るようになり、早20年。


 その勇者は14歳になり、本来の魔王の後継者として現魔王の母親に声を掛ける。


「魔王様、本日で14歳になりました」

「そうか」


 だが、魔王は全てを知っていたので冷静だった。




 前世でも今世でも、業を極めた者が魔の結界を生み、次の魔王国となる。

 そして魔王国の魔王は、この地獄という世界に試練を与えるため、オークを含めた多くの魔物を生み落とす。


 なお、その魔物も、元々は地獄に落とされてきた魂ではある。


 地獄に落とされた魂は、閻魔に仕分けられ、魔物だった場合は魔王国の森に集結する。

 その魂に器を与え、世界中に配置するのが魔王の役目だった。



 だが、時に閻魔を欺こうとし、意図せず魔王の後継者となる愚か者が出てくる。


 魔王の後継者は本来、1人だけ。

 そのため、本来の魔王の後継者が魔王国の勇者に選ばれる。




「約束だ。母として聞かせて欲しい。

 お前は、何を願って勇者になったのだ?」


 母親の質問に息子は目を伏せる。




「前世で、俺はずっと()()()()()()いました。

 違和感の正体に気付いていながら、実の姉に伝えることを畏怖しました。


 ある事件が起きて、俺は()()()()ました。

 それから必死になって実の姉に伝える手段を勉強しました。


 ですが、それでも実の姉には伝わりませんでした。


 高校生になって、親友たちから高額なプレゼントを貰いました。


 ある親友は、父親にお願いして大切な家宝を売却した金額を。

 ある親友は、絵画コンクールで貰った賞金を。

 ある親友は、旅行先の自販機の下から拾い集めていたお金を。


 その友達の友達、フランス人からの支援もあったようですが、


 全部、俺の夢のために費やしてくれたのです。


 伝える手段が増えた俺は、必死に発音を勉強しました。

 実の姉に、真実を伝えるために。


 ですが、俺とは別の施設に入った姉は()()()()()()いました。

 俺の声ですら、お前は弟ではない!と言われて信じてもらえませんでした。


 そして()()()()()ことも出来ないまま、姉は死にました。



 俺の願いは、2つあります。

 ですが、それは契約で縛られているので母上でもお答えしかねます」


「いや、十分だ。ありがとう」


 魔王はそう答え、息子の頭を撫でる。


「真実を伝えることで、お前は楽になれるのだな?」

「はい」

「その実の姉とやらが魔王だったとしても、契約は違えないと誓ったのだな?」

「はい」


「ならば、魔王として伝えることはもう無い。

 だが、今世のお前の母として最後に言わせておくれ。


 お前は立派な後継者で、私の自慢の息子だ」


「はい、母上。

 ここまで育てていただき、ありがとうございました」



 既に死を覚悟している勇者は、その足で魔王国を後にしたのだった。


書き始めて1年が過ぎてしまうので、11月中には完結させたいなぁ……(遠い目)

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