耳に逆らう 11
ほんのちょっと戻ります。
ウル王女が、まだアイと再会が出来ていない頃。
ガブリエルは、消息を絶ってしまったマモルの部屋に来ていた。
なお、マモルの部屋をよく掃除しに来ていた清掃ギルドの新人3名と、その上司に当たる副ギルド長のミリアも一緒だった。
清掃ギルドに関しては、ちょっとした尋問に近い内容だったので、ガブリエルは聞かぬふりをして奥の魔獣の部屋へと向かう。
アーク曰く、精霊が転移術を使ったのだろう、とのことだった。
だが、その行き先がかなり問題のある場所らしく、迎えに行けるのは1人しか知らない、とのこと。
しかし、そのたった1人が今回の連れ去り事件に関わっているから依頼は出来ない、とか。
ならば、マモルはもう二度と、ここには戻って来られないのか。
ここの部屋は人気が高いらしく、引き払うことが決定していた。
だが、マモルはここを気に入っていたし、アークからの色鉛筆のプレゼントによってイラストもかなり高額で売れるようになったと聞いてはいた。
だから、この部屋を維持してあげたかった。
何か無いかと探していれば、何故か引き出しから楽譜のようなモノが見つかった。
この世界にピアノはある。
だが、音階の音が若干、異なる。
それでも何かヒントになるか、そう感じたガブリエルは、それを知り合いのシスターへと持って行った。
最初は弾いてもらうつもりだったが、楽譜の読み方が解らないと言われる。
だったら、自分で練習すれば良い。
こうして少しずつ練習していった結果。
日本で大流行した後に海外でも有名になったボーカロイドの曲だと解り、更には何故か作曲家として宮廷舞踊でも演奏するようになっていく。
そして、その収入の一部を原曲者であるマモルに支払うことで、マモルの部屋を維持できるようになった。
このことは、商業ギルドには伝えたが公表はしていない。
元々、マモルが引き籠っていたのは注目されることと、目を合わせることが苦手だったから。
自分に自信がない者の典型的なタイプだと知ったガブリエルは、そうでなくても太ってて注目されやすいマモルのため、外出時はわざとオーバージェスチャーで人の目を惹くように動いていた。
だが、それも原因だったのだろう。
「まさか、獣医師ではなく作曲家として王女様から登城するよう言われるとは」
ガブリエルは、どうしたものかと大きな溜息をついていた。
ここでやっと繋がる2つの物語。
文章にしてみると意外と長かった!
で。
この話はただの説明回だったんで、次話も一緒にupします。
(9.15)一部を修正しましたが、脈絡は変わっていません。




