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とわのゆりかご  作者: 葉月雷音
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臍を噛む 05

 後悔しても始まらないので、とりあえずガウラは任務を遂行することに。


 翌朝、大して多くもない荷物を持って、ガウラはマリアと共に赤子の家にやってきた。


 ガウラは2階の使用を許可されていたものの、赤子はベビーベッドのある1階に居るので、その荷物はベビーベッドのある部屋の隅に放置し、マリアがネコ車で運んだ野菜や果物などをリビングに入れるのを手伝った。


 赤子は勇者である可能性が高いからか、野菜も果物も、鮮度も状態が良いモノを選んで使用している。

 もし孤児院の子供が見たら確実に盗むレベルの品質だったが、塀の中、それも中央の()()では、基本的に食品は支給されているはずなので、危険を冒してまで盗む必要はない。

 それに、足りなければ言えばくれる、と昨日マリアがガウラに説明してくれていた。


 そう考えれば、魔獣か魔物が盗んでいるのだろう。


 運び終えたガウラが手を休めて悩む間にも、マリアはネコ車を隅に寄せ、いくつかの野菜と果物を持って台所へと立つ。土を綺麗に落としてから、エプロンを着け変えて、小鍋やまな板、包丁などを出して、皮ごと調理をし始めた。

 ひたすら擦りおろしていく様を見ていたガウラは、そういえばリーダーも同じ作業をしていたな、と孤児院を懐かしく感じる。


 マリアが赤子に食事を与えても、残った食材は盗まれていなかった。




 マリアが帰った後、ガウラはどうしたものか、と悩んでいた。

 赤子はガウラを物珍しそうに見つめている。


「初めまして、……は、違うな。久しぶり、……ガキ。いや、名前、解んねぇから、ガキって呼ぶけど。オレはガウラ。今日から護衛で共同生活するから、宜しく」


 一応、言ってみた。

 赤子は首を傾げる。


 マリアから、赤子がエルフ族の可能性が高く、転生者なので言葉が通じないことは聞いている。

 だが、ガウラは何となく、言っておいた。


 しばらくして、赤子が不自然な格好でうたた寝を始めたので横に寝かせてあげた。

 残りの食材は自由に使って良いらしいので、適当な果物を丸齧りする。

 ガウラは調理が出来ない訳ではなかったが、食材に肉が無い場合は、腹に入れば何でも良い派なのと、単に面倒くさかったので果物を選んだ。


 赤子の居る家はかなり丈夫そうで、ドアと大きな窓にも結界がある様子。

 ただ、窓には格子がはまっているので赤子の拳程度しか通れそうにもない。

 侵入者が来るのはドアしかないだろう。

 そう判断したガウラは、ドアのすぐ外で木刀の素振りでもしようと、持ってきた荷物を漁る。




 しかし、そこに何故か木刀は無かった。

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