目をつむる・エピローグ
いつもと違う空気を感じた赤子が久々に目を開けると、見知らぬ顔の女性が呆然と赤子を見つめている様が映った。
「あぁ、なんで、」
女性は呟き、ポロポロと大粒の涙を流し始める。
赤子は驚き、目を丸くした。
「なんで、こんなことに、なったんだ……」
懺悔する女性に、赤子は困惑する。
赤子は何も解らない。
何故ならば、目をつむっていたから。
召喚され、何も見えない布に長時間も包まれ、気付けばベビーベッドという檻の中。
あの最初に世話をしようとしてくれた子が、色々と空回りしていたことは解っていた。
優しい目をしていたけど、それだけに判断することに恐怖もしていたのだろう。
だが、その子はどこか遠くへ行ってしまった、気がする。
頑張ってくれていたのに、一体どうしたのだろう。
女性が軽く腰を曲げ、顔を近づけてくれたので、赤子は女性の目に触れる。
大丈夫、ここには怖いもの、何もないよ。
みんな、優しいもの。
だから、泣かないで。
――あぁ、そうか。
怖くない、そう思っていたのか、わたしは。
それなら、目をつむっていては、いけないね。
目をつむってばかりでは、曇っているのと変わりないのだから。
「目をつむる」はこの話で最後になります。
次章も、書き溜めてから一気に投稿したいと思っていますので、早くても月末になると思います。
遅くても来月中旬までには上げたいなぁ……。
申し訳ございませんが、次章再開までしばらくお待ちください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。




