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「ちょっと聞きたいことがあって。単刀直入すぎて悪いけど、最近羽鳥さんの様子が変だって噂が流れてるんだ。なんかさ、俺の友達がその理由を知りたがってて。決してクラスメイトのみんなに話すわけじゃないから、もしよければ教えて欲しいんだ」


おお。俺にしては理路整然と、簡潔に伝えたいことを伝えることができた。

俺の質問を聞いた彼女は、目を大きく見開き、分かりやすいほど動揺していた。なんだ、やっぱり他人には聞かれたくないことだったのか。それなら申し訳ないな。やっぱり大丈夫、と引き下がろうとしたのだが。


彼女は結んでいた口をそっと開き、蚊の鳴くように呟いた。


「せいしろうさんの……」


「え?」


せいしろうさん?

それって誰のことだ、と聞こうとしたところで、俺はぴんときた。

担任だ。担任の早川の下の名前は確か、「清四郎」のはず。でも、なぜ彼女は早川のことを下の名前で呼んだのだろうか。俺が首を傾げていると、彼女ははっとした様子で口元に手を当てていた。まるで、話してはいけないことを口にしてしまった時のようだ。いや実際そうなんだろう。彼女は俺の前で、早川のことを「清四郎さん」なんて呼ぶつもりはなかったんだ。それが、いつもの癖で出てしまった、という感じで口を噤んでいる。


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