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そして放課後、俺は新に英語と数学の宿題を押し付けた。
「ぐえっ。自分の分もあるんだぞ!?」
「同じ課題だからいいだろ。あ、でもまったく同じ解答はやめろよ。お前の方を少し間違えるか、別の解法で解くかのどっちかにしてくれ」
泣きべそをかきそうになっている新だが、羽鳥蘭の謎を解き明かすのにこれだけの代償で済んだのだから、勘弁してほしい。
「まじかよぉ。俺、そんなに頭回らないんだけどぉ」
「そこをどうにかするのが男だろ。それより、羽鳥蘭の真相を解き明かすって言ったって、何から始めればいいんだ?」
「うーん、そうだね。とりあえず、彼女の行動パターンを観察して書き出してみるとか」
「なるほどな」
新にしてはまともなことを言う。俺は彼の言う通り、翌日から一週間、彼女の行動をチェックすることにした。