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そんなわけで彼女はこのクラスでは女王的な立ち位置にいたし、控えめな性格もあいまって、ミステリアスな深層の令嬢などという中二病感満載の称号を手にしている。ゆえに、自ら彼女に近寄っていく人間はいない。女子は彼女のことを敬遠し、男子は高嶺の花すぎて近づけない、というところだろうか。


そんな羽鳥蘭の様子がおかしい、というのはここ数日の彼女の挙動を見ていると明らかで、クラスメイトの誰もが気づいていた。

朝、学校に来るとまず教室中をうろうろと歩き回り落ち着かない。いつもならすぐに席についてしゃんと背筋を伸ばし、読書をしている彼女らしからぬ行為だ。さらに授業中に教科書を忘れて困ったり、メガネを落としてレンズを割ってしまったり、注意力散漫な彼女が炸裂していた。


「なあ、圭一も気になるだろ? なんで彼女が最近変なのか。あの深層の令嬢と呼ばれるほどの彼女が、ここまで堕ちてしまった理由を!」


“深層の令嬢”だの“堕ちてしまった”など、中二病な新は、さも漫画の主人公にでもなった気分で大げさに身振り手振りをする。その時にはもう俺の眠気は完全にどこかへ飛んでしまっていて、アイス200円では代償にならないな、と冷静に分析していた。



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