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79.よいこは友達 大陸同盟万才!

前回のあらすじ:流石にヒーローバラバラは子供の頃衝撃的でした。結構簡単に直ったけど当時ああいう発想出来る長坂秀佳は本当に天才です。

 それはさておき明朝は投稿できないので前倒しします。

 お召列車でもない、普通の列車が三之丸駅に到着する。学生同士が宴会に行こうと待ち合わせたかの様にホームで合流すると「え?」

 皇帝夫婦と国王夫婦が鉢合わせ。同じ日を指定してやった。これ位のお返しはしてやってもいいだろう。

 なお、両家とも腕利きの護衛を、それとは気づかせない様平民に扮装させて周囲を守っていた。

「アー疲れた!旅路の汗を流したいもんだなあ!」

 何言ってんのこの皇帝様!王様もなんか言えって!何で微笑んでんの皇妃様と王妃様!


******


「「「あ”ー」」」イケメン、ブサメン、強面のオッサン三人、裸の付き合い。これ歴史の教科書に載るんじゃないか?

「やっぱ温泉だなー」

「お二人ともお疲れであろう」

「いえいえ、命懸けで戦ったのはウチの若いのと、ロボシ殿下でしょう」

「お役に立てず申し訳ないのう」

「何言ってんです、西からの石材や木材がなかったらタンエン城完成しなかったろう。そう思うと怖くて眠れぬ」

「はっはっは。そう言って頂けるとありがたいですな」

 本丸温泉でビバノンノン。そう来たか。汗と一緒に過去の無礼もお湯に流させようって魂胆か。

 悪くはない案だなあ、私からして見れば。


******


「我が国の愚か者が大変な御無礼を…」

「あ~そういうのもうええんじゃよ。それより、まあ御屋形様を今後とも宜しゅう」アンビーがてきとーに応える。

「そちらの国では、多くの貴族が処刑されるとか」ウェーステが貴族の子供達を案じる

「今皇帝陛下を御諫めしている最中です」

「あら、私の国もですわ?」女湯でも王妃皇妃がビバノンノン。そっち行きたかったな。無理だけど。

「本当は私達が口を差し挟むべきではないのでしょうが、罪のない子供は、その」ステラが皇妃と王妃に向かって言う。

「やっぱりこの国の人達はお優しいのですね」

「まあ、その話はこの後我が夫達に任せましょう。

 それにしても毎日この湯に浸れるのは、羨ましい事」

「こんなんは掘れば湧き出るもんじゃで。結構深く掘るけどなあ」

「まあ素敵!フロンタでも出るものかしら?」

「海沿いの陸地なら地下に閉じ込められた古代の海水が地面の熱で温められとる。ちょいと深いが掘れば出るもんじゃ」

「…聡明なお方ですね。それにしても難しそう。若くて頭の良い子であれば出来ますでしょうか?」

「…その通りですわ」「そうじゃなあ。あと心の正しく、恩を忘れぬ子ならなあ」「?」

 ウェーステとアンビーは合点が行ったみたいだが、ステラは今一つピンとこなかった様だ。


******


 秋風涼しい実りの季節、プチ収穫祭として子供達の芝居や若者達の音楽を楽しみつつ、本丸大広間で三組の夫婦は酒肴を楽しむ事とした。ステラ、アンビー、ウェーステ、マギカ、そしてダンが同席した。

「この度の無礼、本当に申し訳ない。我等は貴殿の尽力で結成された大陸条約を台無しにしてしまった!」

「しかし最後の掃除もほぼ終わった様で何より」

「これは…結局お見通しであったか」

 開幕早々お詫びから始まった。


「正直辛かった。私も色々苦労した後にあの『歓迎』だ。

 何より子供達を戦いに送り出し、散々気苦労させた妻達も侮辱された。

 一時正気を失いそうになった。簡単には許せないね」

「我々は、国王陛下の」「堅苦しいなあ、タイムでいいよ」「じゃあさタイムよ」「おぉ?」田〇邦衛の次元か?

「俺達はお前の夢を傷つけた。

 ミナトナのお嬢さん達が俺達を疫病から守り、

 ドワーフの国が魔道具や鉄道や城を作り、

 平民の天才たちが衛生を広めた。

 そして教皇も帝国も王国も協力して得た勝利を、愚かながらまだこの大陸に蔓延る守旧派が台無しにしようとしたのを許してしまった。

 俺達のすべきことは、お前の夢を叶える事だ。お前に救ってもらった命を以て、全力で応える事だ。


 やるべき事は沢山ある。それもあんたがやるべき事じゃない、俺達がやるべき事なんだ。

 それをやり続ける。国の無駄を削ぎ、それを注ぎ込み、やって見せる。どうか許して欲しい」

「フロンタも同様だ。あの場にいなかったが我が国にも同じ穴の貉はまだおった。我等も詫びるべきだ」

 二大強国の王と帝が揃って頭を下げている。妃もそれに続いて頭を下げた。畏れ多いとはこの事だ。


「気持ちは充分に理解した。だがそれじゃあ終わらないだろう。具体的にはどの様な手を?」

「今回の首謀者は処刑する。しかし本来なら連座され処刑されるべき子供達を護児国へ差し出す」

「それが私の夢に繋がると?」

「処刑対象の貴族から没収した財産や図書も全て護児国へ寄贈する。それを、他国へと旅立つ貴国の子供達の糧として欲しい」

「本来なら儂等が自力で未来を担う子供達を育て上げ、それを以て謝罪としたいところだ。しかし!どうしても我が国内では旧弊を脱する事は出来まい。志の高い子女にも悪い虫が集るであろう。

 出すべき金は出す。儂等に出来るのはそれが精一杯だ。貴殿とこの国の子供達、願わくば我等の国の死を待つ子女にも、新しい考え方でこの大陸を導いて欲しいのだ」


 この提案、結局は押し付けだ。こっちが努力しても将来利益を得るのは両国だ。

 しかし、両国は未来の礎となる『教育』をこっちに譲った事にもなる。

 王権を否定する事も、皇帝を否定する事も可能な『教育』。

 教育の力は恐ろしい。予想を超えて恐ろしい。それを国の未来を全部私に譲ったのだ。

 面倒な事だ。


「恐れながら申し上げます!」ダンが立った。「座っていいから」

「このお話、引き受けるべきかと存じます!」「その心は?」

 キオミーもエンタも、御婦人達もダンを見つめる。

「私はイテキバンとの戦いで学んだ事があります。

 彼…彼女達は殺す事、奪う事が正義だと、その為には仲間の命すら盾にして進むべきだと信じていました」

「君は、俺の息子と同様、そいつらとやりあったんだね」

「15歳位の少女でした。仲間の死体を盾に、自分の体を盾に、死を厭う事無く剣を振るって来ました。

 なんであんなに激しく憎むのか、簡単に死ねるのか、本当に解らなかったのです」

 戦場の血生臭さがこの場に持ち運ばれた様だった。誰もがダンの言葉に集中した。

「恐らくあの子達は、そう教え続けられたのでしょう。教育っていう物は、人間を天使にも鬼畜にも変える、恐ろしいものです。

 あの少女は、本当はどんな人だったのか?何を望んで、何を美しいと感じる心があったのか?死んでしまって、答えてくれませんでした。

 私はもう鬼畜には会いたくない、本当の望みを人に伝えずに死んでしまう人が増えて欲しくない!心からそう願います」ダンは一瞬激しく、しかし落ち着いて言った。


 もう、憎しみに取り付かれたダンはいない。憎しみから逃れ、憎しみを克服しようと足掻くダンがそこにいる。

 ありがとう。嬉しい。大きくなってくれたな、ダン。

「言ったなぁ?言ったからにはやり通せよ!勉強嫌いな居眠り坊主が!」「はっ!」

「という訳でウチのガキ大将に免じて、その案を受けましょう!」

「恩に着る!」「かたじけない!」両元首が私とダンに向かって頭を下げた。両国の夫人も深く頭を下げた。顔色一つ変えなかったのは流石だが、どこか安堵の気持ちに包まれたかの様に、表情が穏やかになった。


 その夜は三之丸商店街に河岸を変え、普段本音で話す事無い国家元首が大陸の未来や皇族王族の未来の夢を深夜まで語り、王妃皇妃もリゾート開発や美容品、美食について語った。変えた河岸は勿論「覚悟亭」だ。列強首脳の来店に亭主は例によって怯えていたが、店を手伝う子供は元気一杯であった。


 気が付けば、モネラにヤミー、ムジカやコマッツェも呼び出され、文化振興の夢を語り合った。

 翌日、守旧派子女受け入れの段取り、そしてキオミーとエンタの本音であった観光地-特に王妃熱望の温泉開発とその地への鉄道延伸、そして大型魔動船の建設計画といった商談が提案された。この一晩で物凄い金が動く事になった。

 大型船計画に帝国が噛んでしまったのはエンタとして苦々しかった様だが、実現に漕ぎつけられただけ、良しとされた。尤も、グランディア南岸を王国と帝国の船が往来するだけで今までになかったビッグビジネスが誕生するのだ。乗るしかないよね、このビッグウェーブ。


 翌日、両元首は新酒や試作化粧品を係累に配れるだけ土産に持って、満足気に引き上げて行った。


******


 守旧派の子女のは護児国へ送られた。皇帝もフロンタ王も「子女の裁きは侮辱された護児国王に委ねる」と宣言した。


 彼ら彼女らは鉄道に驚嘆し、南之院や護児城に驚嘆し、異形の城に驚嘆した。しかし。

「迎えは無いのか!」「余に歩けと言うのか!」「礼儀がなっていませんわね」「我等は高貴な血を引く者ぞ!」

 などと高貴とはとても思えない、下品に喚き散らす悪ガキ共もいた。

「お前らはもう平民だ!四の五の言わずにさっさと歩け!」彼らを迎えた私は一同を二之丸学校へ連れて行った。


 二之丸学校で、面接が行われた。

「この平民共が!大陸の秩序を乱し、貴族の血統を汚す外道奴が!」

「私達は大陸を守るために、防疫を広め、砦を築いたのです。そして全て引き上げました。何が秩序を乱すのですか?」ウェーステが穏やかに尋ねた。

「我が父が捕らわれたではないか!」

「それは戦いを勝利に導いた皇帝陛下に背いたからで…」

「皇帝を誑かしたのがお前達だろうが!」

「あなたは、皇帝陛下ともあろうお方が、私達平民に簡単に誑かされる程度のお方だと侮辱されるのですか?」

「魔導士の力は強大だろう!それに皇帝陛下は誑かされたのだ!」

「では皇国は既に御屋形様に敗北したと仰られるのですか?」

「帝国は負けぬ!今からでもお前達を殺し尽くしてやる!」

「あなたは皇帝陛下より強いのですね?どの程度の軍勢をお持ちですか?」

「ぐぬぬ…」

 ウェーステは、優しく問答を重ね、少年の罵詈雑言を諌めた。


******


 騎士の子女は城の防衛部との手合わせを熱望した。

「わたくしめは!お前の如き平民には負けぬ!」剣を構えた美少女が叫ぶ。

「なんだか懐かしいなあ」ゲンが手ぶらで対峙する。

「死ね!無礼な平みミンチョ!」男女平等パンチが炸裂した。

「うぉ、うぉ、女に手を上げるなんてー!この野蛮人ー!」

「お前は俺に剣を向けた。これは殺されても文句を言えないって宣言だ。

 俺は剣を持っていない。お前なんか相手にならないって宣言さ」

「ぅわ、ぅわ!私はぁ!栄えある大陸の伝統を守る剣ぃ!」再度剣を振るう涙目の美少女!

「そんな鈍らイテキバンにも通用するもんか!」男女平等キックが美少女の顔面に炸裂した!

「隊長~、手加減しましょうよ~」「顔はやめて、ボディーにしましょ~よ~」

「馬鹿野郎!あの聖女王オーテンバー様も、御屋形様の鉄拳喰らって己の愚かさに目覚めたんだ!

 そんな生易しさがこいつらの為になるもんか!」

「うわああ~ん!くっ殺せえ!」とうとう守旧派の騎士の娘は泣き出した。

「あ~ああ、泣~かした、御屋形様に~言ってやろ」

「うるせえ!次ぃ!」ゲン、苦労をかけるねえ。


******


 面接の場で。

「国王様。人間と言う物は弱いものだ。一族が処刑されたとしても、私の血が残っている。私が死なない限り、どんな事で再び祭り上げられないと誰が断言できよう。

 嗚呼!こんな家にさえ生まれていなければ!」ある少年は嘆き、死を受け入れようとする。後ろで何か音楽が勝手に鳴り始めている。

「私達の処刑は大陸にとっていい教訓だ。高度な歴史も、その誇りを誤ると悲惨だ。この国は、フロンタ公爵家の悲劇を繰り返すな」ある少年は私達の未来を案じ、死を覚悟する。

 君達平〇昭彦か?


 悪態を突きつつ挑戦を続ける若者に、自分を客観視出来、死をも覚悟できる若者にこそ、未来を託したい。若者よ、挑戦せよ。


******


 その一方で。

「蛮族の宿舎は酷い物だな。帝国の牢獄で何千時間過ごすよりも疲れる」とか。

「護児国ノ待遇ハ酷イゾ!大使館ニ言テクレ!失ッ礼ナ!」とか。

「大陸北ハ帝国ト違ッテ、至ル所ニ亜人ヤ蛮族ガイル。愚カナ土地ダ。救イ様ノ無イ原始人共ダ」とか。

 全く態度を改めない奴等もいる。にしても老けた子供だな。


 この期に及んで自らの立ち位置すら理解できておらず、何かのために必死にもなれない奴等は、子供と言えども母国へお帰り頂く事とした。その先に待つものは。


******


 城に歓迎された少年少女達は、城の教育内容に共感した者もいる。城の子供達とぶつかり合って、更なる高みに挑む決意をした者もいる。我が境遇を嘆きつつ、与えられた機会を無駄にすまいと励む者もいる。

 そして奮闘する事数か月、誰もが貴族も平民も亜人も、共に学び職務を果たすべきとの教えに自然と共感した。


 貴族達から没収された数多くの宝物、書物が護児国へ運ばれ、新たに図書館と美術館が二之丸に建設された。どちらも半地下で鉄骨石造の耐火建築であった。

 これらは城内に一般公開され、護児城で大陸文化に接することができる貴重な文化施設になった。無論、ぼちぼち物見遊山で護児国を訪問する様になった観光客にも公開された。中には結構著名な財宝や絵画があり、これらは各国の人々にとって未知と恐怖の渦巻く魔の森への、魅力的な案内状となった。


 ミデティリアとフロンタから、粛正した貴族から没収した資金や領地を贈られそうになったが、辞退した。

 それこそ戦争に尽力した貴族、将校、兵士、そして遺族に与えられるべきだ。そう打診したところ、すんなりと意見を受け入れてくれた。端からそうなる事を読まれていたのだろう。いい読みだ。


******


 またしても三之丸、覚悟亭。いくら鉄道でフロンタから護児城まで1日で来られる様になったといえ、エンタ王もキオミー帝もフットワーク軽すぎじゃね?「わたくしなら毎日でも」「勿論俺もね」オーティ&ロボシのカップルも来てるし、護衛のフラーレは愛するモネラと一緒に同席してる。


「そろそろ仕切り直させてくれまいか?」

 キオミーが戦勝記念式典のやり直しを持ち掛けて来た。無論、エンタ王との共同企画だ。

「国として、ああいう上からの式典は絶対に必要だった。だがそれだけじゃ駄目だ。

 タイム、お前みたいな優しさを皆に実感してもらう行事も必要だ。聖女王様が行った様な、各地を巡って人々と語り合い、理解を深める儀式が」

「私は儀式など行っていませんよぉ!皆に清潔にして、疫病を防ぐ様お願いしますって回っただけです」

「おお。流石はオヤカタサマの一番弟子。その境地に俺達が辿り着くのは、驢馬が針の穴を通るより難しいな」

「そ!そんな事は…」

「あるんだ。だからあんな失態を仕出かした。今度はそれは許されない」前回同様、キオミーが珍しく真面目な顔で意を決する。

「相当の覚悟を決められた様じゃな皇帝陛下。儂も心して掛かろう」エンタ王も続いて決意を表す。

「若輩者ながら、私も全力で尽力致します」オーティーも彼らに続く。

「後はあたしの親父も呼んじゃるかあ~」「アンビー、そんな乗合馬車みたく言うなって」

「みなさまおしゃけをどうぞ~」学校に通い始めた亭主と女将の子供が器用にお酒を運んできた。

 みんなが笑って酒を飲んだ。私達の蟠りは消えた。


******


 その後、私と妻達、城で学ぶ事を決意した少年少女達は各国を廻った。

 そこに皇帝キオミーもエンタ王も、聖女王オーティーも、ハンマー王も同行してくれた。総本山も各地の枢機卿を派遣した。

 回るは戦場となった地、戦場へ派兵した地、物資を提供した地、そして守旧派の領地から直轄地となった地。


 会場となった三カ国の各地で、

・大陸同盟の堅持を各国首脳は誓う事

・守旧派貴族の子女は護児国が保護し教育する事

・没収財産は護児国の博物館・美術館で無償公開する事

・それ以外の没収財産は各国の戦争の功労者に寄贈する事

 を宣言し、戦没者への追悼式へ出席した。


 サミット城とは一変し、追悼式では夫や子を亡くした遺族やその地元の人々から大変な感謝を受けた。

 傲慢さを疎まれ、大陸同盟瓦解の原因となった守旧派子女への風当たりも強かったが、平民の兵の墓前に祈り遺族に黙禱を捧げる姿に、人々の心は次第に穏やかに変わって行った。

 この戦争に物資を提供した領地では、多少なりとも見返りがあった事に安堵し、ここでも感謝を受けた。

 守旧派の領地では、他国の元首が各地の発展に尽くし、子女が平民となって将来は地域に貢献する事を誓い、後を任された領主や領民の不安をある程度緩和した。


******


 このお遍路は、一時存続を懸念された大陸同盟がまだ健在である事を、戦いで傷ついた人々の心と共にあり続ける事を広く宣伝した。

 各地では、サミット城の冷遇とは一転して、私と妻達も歓迎を受けた。追悼式や物資供出への感謝式典を経て、各地では初めて接する異国の元首や護児城からの異種族、平民出身の魔導士を歓迎し、物珍しさも相まって好評の内に迎えられた。

 時には各地出身の兵と共に戦ったロボシやタンエン伯、ブコー伯も駆け付け、苦楽を共にした兵の歓声に包まれた。

 何かこっちの方が本当の戦勝式典みたいだ。というより打ち上げ会みたいな身近さがあるな。


「おー。ここにはこんな強い酒があるんかあ!ウホ!凄い匂いじゃなあ!」フロンタ西で熟された雑穀の蒸留酒にアンビーが感動し、「凄いわ!向こうは全部海!こんな崖の上に町があるなんて!」とステラが感動し、「いやん、みんなあたしにメロメロよぉ?」とミナトナの乳で天然痘を封殺した街で屈強な船乗り達の熱い視線に包まれたプリンがゴキゲンになった。

「この若造は中々大したものだぞ!数千の兵で10倍の兵を退けたのだ!」ブコー伯がダンを讃え、男たちが歓声を上げた。

 ミデティリアの皇妃達とフロンタ王の王女たちも宴席に出席し、我が妻達、オーティーの近衛達と共に場を華やかに盛り上げた。我が妻達は帝国や王国の豪華なファッションに、逆に先方は我が城のシンプルで素材の良さと色合いを工夫したファッションに感動し、更に思いがけず中央のファンッションが目の前に現れた事に興奮した現地の女性達を交え、熱く語り合っていた。


******


 お遍路の最後の地、帝都マンナでの内輪の慰労会で。

「終わった。やっと終わったー。俺の戦争がやっと終わってくれたー、畜生!タイムに一生返せない借りを作っちまったー!」キオミーがぶっちゃけた。

「全くじゃー!縮んだ寿命がすこし帰って来た思いだー!」エンタ王も本音を叫んだ。

「国王様、お怒りは静まりましたでしょうか?」心配そうにオーティーが尋ねた。

 私は妻達を見た。ステラも、アンビーも、ウェーステも、プリンも、ダン達防衛部の若者も達も、笑顔で応えてくれた。

 同行せず城で子供達を護ってくれているクッコ、モエ、オイーダ、ドレス、イナム、ジーミャ、病院を守ってくれているマギカも同意してくれるだろう。


「よかった。終わったな。ようやく平和が来た。なあ」と随行した子供達に声を掛けた。


 同行した「元」守旧派子女達は、各地で様々な思いを抱き歓迎する人々に、今までの人生で接した事の無い、熱い「何か」を感じた。それは彼らの大きな財産、生きる原動力となった。

 覚悟を決めた彼らは、護児城の孤児、各地の孤児院からの留学生と身分や種族を越えてしのぎを削り、友情を育て、知識を蓄え、考える力を養った。みんなよいこだ。


 大陸同盟は守られた。各国を幸福に導く明日の指導者達に万才を贈ろう。


※12/11 まだ設立されていない「大陸大学」の記述が時空を超えてでてきていましたので訂正します。

 ようやく今回で決着しました。おー、おー、たいりくだいせんそー↑少年合唱で。


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