47.愛妻は10人の女?
前回のあらすじ:予告編まで女王様が乱入!当時スゲェって思った。
※昨日10/19のPV記録更新!4桁目前となりました!お読み頂いた皆様!有難うございます!!
出来ましたらご感想などもお聞かせいただけましたら幸甚です!※
外の世界の擾乱は落ち着いた。
と思ったらイケメン騎士のレンドリー様が魔の森入口駅からやって来た。雪解けの季節の事であった。
非公式、という事で歓迎行事なし、食事も普段と同じで二之丸御殿でみんなと一緒、という事にした。だが…
「何か城の街が賑わってないか?色々良さげな店も出来ているぞ?」
とのご要望で、何故かサシで三之丸の居酒屋で飲んでる。前にアグリ達と飲んだ店だ。藍で染めた暖簾には「覚悟亭」という店名と、向かい合う男女が飲め抜かれている。何でだ?
「城の真ん中から見下ろすよりも、街から見上げる方が、とてもいい眺めじゃないか」店の奥、中庭の向こうでライトアップされる櫓群や天守を見上げてイケメン様は感嘆する。解ってらっしゃる。
彼お気に入りの日本酒、「子守歌」で乾杯した。
「王国教区の腐敗一掃、見事の一言に尽きる。我が王国に生きる者にとって、タイムは正に英雄だ、救世主だ。」
「ヤメテー!」カルト事件で有名な横〇弁護士みたいな声が出た。
「そして、オーテンバー王女から書状を預かって来た」
「面倒臭そうな話だなあ」
「大体の話はリベラの奴…おっとリベラ卿から聞いたが、そんな悪い話でもなさそうだ。まあ、読んでみてくれ」
そこまで言われては、どれどれ。
・ダキンドン王国は王国枢機卿デマゴギー13世によって数多くの腐敗が起きた。
・創世教総本山の有志により齎された情報によりダキンドン王国はデマゴギー13世の違法行為を処罰出来た
・有志の証言で、魔の森に住む魔導士により、不正行為の証拠が確保できた事が判明した
・返礼として魔の森の代表者と、総本山が好意を寄せている『魔の森の孤児院』の子供達を王都に招待したい
・王国は魔の森の住民を、王国と対等な立場で招待し、明文化する
…これ考えたのテイソさんか?リベラ卿か?
「二人だ」「やっぱ?」
「だが姫はこれを読んで、泣いて喜んでたらしい。姫も、主の意を汲む優秀な部下を持って何よりって感じだな。で、受けるか?」
「一つ条件がある」
「なるべく目立たず密かに、って事か?」
「解ってるなあ」
「伝えよう。まあ、自然と目立つ事になるだろうけどな。そちらの狙いは何だ?」
「狙いって人聞きの悪い。
ここの子供達は全員がここで一生を終える訳じゃない。中には王都へ行きたい、故郷へ帰りたいって子だっている。その時のための伝手を作るためだ。まあ、あんまり姫の後ろ盾を表に出すと反感も買うだろうから、程々にってところで」
その後、彼からは人気が鰻登りのオーティの噂を聞いた。かのオーティソングも大人気でOTAKEBI吟遊詩人とか大人気だそうだ。そして彼の子供自慢を聞かされた。辺境伯領が安定しているお蔭で新たな子が出来たそうだ。家族が元気で仲良くて何よりだ。
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「私はここで子供達の世話をするわ」
「あたしもゴチャゴチャした所は勘弁じゃなあ」王都人気無ぇ。
「これは今までの修学旅行と違って、外の世界が城に簡単にちょっかいを掛けない様話を付ける約束をしに行く、って事でもあるんだ。
私だけじゃなく、平民のステラ、ドワーフのアンビー、エルフのウェーステ、亜人のプリン、難民のオイーダ、宮廷魔導士のマギカが等しく暮らしている事を王国に認めさせる必要があるんだ。」
城の主だったメンバーを集め、王都行の是非を考えている。性教育の相談以来だな。
「行ってくりゃいいじゃねえか。ここも凄いけど、王都もすげぇ賑やかでいろんなものがあったんだぜ!俺ももう一回行きたいぜ!」
修学旅行を思い切り楽しんだダンが言う。
「私が行くくらいなら子供達を…」
「姉ちゃん御屋形様の奥様だぞ?国で言ったら王妃様だ。一緒に行かなくてどうすんだよ?」
「お…王妃、様?!」「何ってんだ、ここはもう王女様も泊ってんだ」
「そ、そうよね、考えてみれば私王女様と。何であの時あんな普通にしてられたのかしら…」
「そりゃ御屋形様を立てるのに一生懸命じゃったからじゃろ?立派だったで?」
「あたしヒト族の都なんてぇ」「あたしなんか他の国から捨てられて来ただけだよ?」
「みんなで行こう。ここは身分も種族も出身も関係ない、誰でも愛し合える世界だって証しに行くんだ。あの姫様なら解ってくれる。私の愛した皆を、外の世界に認めさせてやるぞ!」
「愛した…」「愛…」「おやがださまがわだじをあいじでぐれでる~」
「それではこの王国行を以て、わたくし達も正式に御屋形様の妻としてお認め下さるのですね?」
「今更なんじゃい。もうあたしらは縁者みたいなもんじゃろ?」
「結婚ってのが性に合わないって言うプリンさんだって、御屋形様を愛してるでしょ?」
「待ってよ!ドレス達だって私と同じ御屋形様の女だよ?あの娘達も妻にしてくれるのかい?」「オイーダ、無茶言いなさんなよお」
「だから今更じゃって。みんなで子供達の面倒みて一緒に寝て食って風呂入った家族じゃろ?」
「わ、私も、ついに御屋形様の妻に?くっ、犯せ!」「私も捧げますう!」
「あだあだあだじもづいにおどなのお”ん”な”に”~!」
大騒ぎだ。
「今更。って言っても、全部で私達含めて10人にプリンさん達5人…
ホント、スゴイワネー」ちょっとステラ周辺の気温が下がった。
「あら貴族でしたらそういう方もいらっしゃいますわよ?」
「御屋形様が貴族…そうよね、一人でこんな城築いちゃうんだから。いやそれ貴族とかじゃない別の何かよ!」
「でしたらもっと側室をお持ちになっても」「頭ついてけないわ!」
結局、ミナトナを除く8人を正式に妻として結婚し、プリンを加えた代表の6人を王都に同行させる事とした。式を済ませてから出発する必要があるな。
そして本来の主役である子供達は、今年修学旅行に行く予定だった20人の年長組とした。
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皆と話し合い、決定した事項をレンドリー氏に伝え、妻達を交えた夕食会、と言っても城の普段の夕食をちょっと贅沢にしたものと、天守に登っての二次会を開いた。
「妻が10人か。それも、色々な種族や出身の美女ばかりか」
「照れるのぉ~」「お褒めに与り光栄ですわ」
「ウェーステ殿は、本当に幸福になって欲しい。クッコも、モエも」
全部知っているレンドリーの優しさに、3人は深く頭を下げた。騎士の後輩であったクッコは滂沱の涙だ。
「わだじ、ごごでじあわぜになりまじだ~」
「お、おう。よかったな、マギカ殿」
「レンドリーざまどリベラざまのおがげでずう~」 さっきからずっと泣いてるなマギカ。干からびるぞ?
「タイム、私からも彼女達の幸福を祝いたい。辺境伯領で働いてもらった縁もあったりするからな。どうか幸せにして欲しい。」
「責任重大だが、約束する。彼女達は、全員幸せにする」
「「「はぁ~ん!」」」妻、もとい婚約者たちがうっとりする。
「大した色男だ!」「あんたに言われたくないな!」「それはこっちのセリフだ!」
笑顔に包まれた宴会の翌日、さわやかな笑顔を残してレンドリー氏は城の回答を持って帰途に就いた。
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桜ならぬ林檎の花が満開の中、私はオイーダ、ドレス、イナム、ジーミャ、ウェーステ、クッコ、モエ、マギカを妻とする宣言を南之院で行った。
かつての辛い過去も癒え、城の暮らしの中明るい笑顔を振りまく彼女達に、愛を誓い口づけを交わし、指輪を捧げた。
なんだかんだ彼女らの処遇にやきもきしていた城の皆も「やっと落ち着いたかぁ~」と安心し、拍手で迎えてくれた。
密かに憧れていた男たち、少年達の中には憮然としている者もいた。スマンな。
この世のものと思えない様に、青空の下薄紅に輝く林檎並木道を、オープン仕様の大型馬車で城へ向かう。
「私もようやく御屋形様の物になり、ステラ様やアンビー様の家族となれるのですね!」純白のドレスを纏い、美しい以上に美しいウェーステが眩い笑顔を私に向ける。「今宵こそあなたに抱いて頂く!」そうだな、クッコ。
「夢みたいだよ!あたしは本当の結婚が出来たんだ!愛してるよ御屋形様!」
「私もさ!もう捧げる物は会った次の日に捧げちまったけどさ!」
「くっ負けた!」「「くっ勝ったあ!」」「うああ!殺せ!」「イナムさん、ジーミャさん、クッコをいじめないで!」
馬車の上で笑いの花が咲く。泣き出しそうなクッコを抱き寄せて慰めると、顔を真っ赤にして照れている。
「今夜私は今夜私は今夜」となんか怖い空気がマギカから発せられる。
「マギカ、待たせたね。一杯幸せにするよ!とっても綺麗で可愛いよ!」
ぱあっと明るくなるマギカ。うん、今日はそのままでいて下さい頼みます。
「モテ過ぎるのも、大変だなあ」と御者の文学少年、ジョーが呟いた。何言ってんだお前もモテモテだろうに。
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三之丸大手からはパレードを行い、城の子供達の祝福を受けた。以前は空き家だった三之丸も、今はそこに住む親子が、小さい子が、自分の家、自分の店の前で、城の旗を振ってくれている。私達が世話した子供達の子だ。
「みんな大きくなってくれたもんだねえ!」
「なんか孫みたいなもんだよ、あたしら花嫁になれたばっかなのにねえ!」
「私達の子供は、まだまだ増えてしまうでしょうね…」
「お嬢様、外から来る子よりも、お城で生まれる子供の方が多くなる様に頑張りましょう!」
「そうですよお嬢様!立派に鍛えて見せますよ!我が夫である御屋形様と共に!」
パレードを見送る側も、見守られる側も、夢は膨らむ。
本丸御殿ではステラとアンビーが鉄道で先に着いて待っており、私が連れて来た新しい妻達を抱きしめ、受け入れた。
「御屋形様は面倒くさい大きな子供だけど、皆で支えて行きましょうね」
「こん方とおったら一生退屈せんで!思いっきり楽しんで、甘えさせちゃろうな!」
そして、カラフルなドレスのプリン達ミナトナ5人…ロリーはアグリの隣だ。彼女等も前列で妻達と抱き合う。
ダンの司会で一同乾杯し、宴会が始まった。
そして、王都からの招待を読み上げ、招待に応じ王都に向かう少年少女20人を紹介する。制服を纏った年長組が緊張して一の間に整列する。
「君達は護児城とダキンドン王国の間の、平和と友情を結ぶ使節となる。私と共に行き、大いに学び、大いに楽しんで来て欲しい!」
「「「はい!頑張ります!」」」
大広間は歓声に包まれた。小さな使節団が宴会後半の主役だ。
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「御屋形様の女関係も、ひと段落付いたかのう」
「何言ってんの?これから一番大変な人の所へ向かうんじゃない」
「あ”~、そうかあ、そうじゃった…」
嗚呼。何か私はオーティに好かれているんだ。何度もバ○ンパンチかましたのになあ。そういう趣味の娘か?
「きっと真剣に自分の事を怒ってくれて、助けてくれた初めての人が、御屋形様だったのではないでしょうか?」
「流石ウェーステだわ」「そうじゃ、そういう事じゃよ。ありゃあ、おっきな子供じゃけぇ」
なんか色々言われてるな。まあいいや。相手は王族、しかもあの王子もどこ行ったか分からん状況では王位継承者も確定だ。例え私が惚れ込んだとしても、そういう訳には行かない相手だ。
そんな事より明日から出発準備だ、今日は早く寝よう。
おっと寝れる訳なかったな。
密かに出来た魔の森の城も、とうとう外の世界に公式認定される時が来ました。
そして異世界十八番、ハーレムです。第一部のラストにようやく決着が付きました。
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