42.おてんば豹変姫の魔の森冒険旅行
前回のあらすじ:東映悪の組織って敵が勝手に自滅してくれて最終回ほぼ敵が主人公だったりする。
ついに評価ポイントが三桁台に!そしてユニークアクセス2000!PVも10000直前!
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しかしネタ通じてるんだろうか?…気にせず今回も行ってみよう!
「くっ!殺せ!」
見事な出オチのオーティ。
親馬鹿国王が娘に付けた騎士は百人ではなく千人。
しかし兵站が不十分で食料は数十日分しかなく、前途を悲観した九割の将と騎士が「腹痛で」「風邪ひいて」「死んだ婆ちゃんが生き返ったんで」と食料を持って逃亡。
残る姫様とお友達の騎士家令嬢達101人、やっと外輪山を超え森に入った途端、魔物の歓迎を受けて大ピンチ。
王家や各騎士の紋章を彫りこんだ高級な鎧も傷や歪みを受けている。その下の体は、かなりの怪我をしているだろう。
彼女らに迫る身長5メートル超のオークやら角熊やらを前に、傷ついた令嬢騎士達は絶望に染まる。
キュ!っと風を切る轟音が響くと、巨大な魔物の首は吹き飛んだ。直後響く轟音!
出城の着見櫓から超弩弓が発射され、大型の魔物は次々と千切れ飛んだ。角狼等にもクロスボウが放たれ、魔物は退いた。
ここで大見得を切らなければ!姫一行の前に躍り出て、
「私は魔の森に捨てられた子供達を守る護児城の城主、魔導士タイム!
ダキンドン王国オーテンバー王女一行に助太刀致す!」
と名乗り、倒れた姫を抱きかかえる。重いよ鎧。
「おじょうさまがた!早くこちらへ!」馬車で駆け付けたダン以下前哨隊が令嬢騎士を載せ、乗り切らない女騎士を抱きかかえ出城に駆け出す。
私達を追う魔物の群れに色を失う姫、
「お、追ってくる、追ってくりゅうう~!!」目から鼻からその他から、何か色々出てる。
上空から降り注ぐ矢の嵐、迫る魔物を確実に仕留める。騎馬隊は無事大手を潜り城内へ入った。
魔物は桝形へ誘い込む必要もなく、各櫓からの一斉射撃で門外にて全滅した。
出城の二之丸に収容された姫一行。点呼を取っている。馬車から怪我人が介抱されつつ集合すると、友人を見つけて安堵する声、怪我人を気遣う声が上がる。みんな王女と同じ十代半ばの娘達だ。こんな無謀な死出の旅に、何で付いて来たのか。
「あのぉ」と顔を真っ赤に染めた姫が色目を使って見上げて来る。
「この城…見たこともない建物を築かれたのは貴方様なのですか?」
「その通りです」驚く姫。
「あっああ…これは神様のお導き!」さてどう出るかこの姫は。
「あなたの様な頼もしい殿方が我が王に従えば!
我が王国軍を敵国に導く軍道も瞬時に出来…」
私は思いっきり横ッ面を殴った!「ひでぶ!」王女が出しちゃいけない声を吐いてスッ飛んだ。
「え?な?何を!王国の勝利のためにあべし!」もう一遍かました。
「この森の城に住む子供達はな!
飢えのため親から捨てられた子供達だ!
お前たちの命を助けたこの子達はみんな、親から捨てられたんだ!」
駄目だ。例え相手が美女でも怒りが止まらない。叫びながら、鎧の襟を握りつぶして首根っこを持ち上げた。
「お前たちは今全く無駄な愚かしい戦争を企んでいる!
その結果どうなってると思ってるんだ!?
多くの人が死に、殺され、生き残った人達の中から、捨てられる子供達が増えるんだ!
その殆どが親に会えず飢えて孤独の中で死ぬんだ!
お前たちの企んだ無謀な戦争の所為で!
それで勝って救われる人が多いなら仕方ない、だがどうだ?勝てるのか?!
負けたらどう責任取るんだ!!」
周りを見る。ダン、やや怒りつつ、それでも優しい目で私を見ている。そんな目で見るな。お前の方こそ怒れ。
令嬢騎士達は…私を諌める奴はいない。多分姫が無邪気に考えている戦争の、無謀さも馬鹿さ加減も分かっていてなお、忠誠心でついてきている娘たちなんだろう。
「お前は、お前の国に生きている子供達を、どうしたいんだ?」
掴み上げた王女を地面に降ろした。いかん。怒りが続かない。周りの優しい目に、心が落ち着いてしまった。
「私が望むのは、王の威厳の下に民が末永く幸福に暮らし、王を讃える日々が続く事です!」腫れた頬を気にせず姫が声を張り上げる。
「だから貴殿も王命に従いうわらば!」あ、ダメだ。また殴ってしまった。
「お前らダメ王家にもう権威なんて無えんだよ!あんなクソ駄目王を讃える奴なんていねえんだ!テメェ等は×か?×か?!」
「くっ…じゃあどうしたらいいのよ!」
殴り飛ばされながらも、姫は向かってきた。
「あの、国の金目当ての坊主も!父上から金をふんだくって小さい子を買ってとってもやらしい事をさせていたのに!王国の危機には全く役に立ってない!
皆が食べる様になった新しい作物も悪魔の呪いだ何だと言い張って燃やそうとしてる!」
姫は涙を溜めて私に食って掛かって来た。いや、食って掛かるというより、縋ってきているのか?
「兄上は気×いだし、父上も何もしない!何も決めない!
私はどうしたらいいのよ!そんなに言うなら教えてよー!
どうしたらいいのかお願いだから教えてよ!!うああーっ!!」
姫は大声で泣いた。今までの高飛車な態度を投げ捨てて、幼い駄々っ子の様に豹変して泣いた。しかし。
本気でこの姫は泣いている、国の未来を、足りない頭で考えながらも考えて。心は綺麗なんだ。何とかしたい気持ちはあるんだ。
廻りの女騎士達も、慈しむ様な、労わる様な、もうどうしていいのか解らない感じで姫を見ている。
泣け、姫。お前の流したその涙は、きっとお前の明日の糧となるのだ。
なんて特救指令隊長になりそびれた天下り警官に対する様な事を考えつつ、落ち着いた姫に声を掛ける。
「あなたは馬鹿だ」あ、本音のまんま言ってしまった。
「そうよね。私馬鹿よね。お馬鹿さんよね」昭和なリアクションやめて。怒りが笑いに変ってしまう。
「本当にダキンドン王国を助ける策ならいくらでもある。姫、聞きたいなら、聞く耳があるなら、私について来い。それなりに迎えよう」
姫はパアっと顔を輝かせた。
「聞かせて!聞かせて下さい!あと、私について来た彼女らを助けて!」
「わかった。怪我人も治癒しよう」
少年達に介抱されていた令嬢騎士達は、安堵の溜息を吐いた。
「よかったですね」「城へ案内します」「掴まって下さい!」
令嬢たちを城内へと案内する少年達は、心なしか鼻の下を伸ばしている様に見えた。心なしじゃないな。
少年達よ。外の世界の、よりによって王国の貴族なんて面倒臭い娘にちょっかいかけるなよ?後でステラの冷凍攻撃と一緒に言い聞かせてやろう。
******
怪我の治療を「時間逆転チェースっ!」で治し、出城の温泉で寛いでもらい、100人が泊るには少々狭いながら宿舎に泊まってもらう事にした。
当番の少年は緊急に本丸御殿で寝てもらった。
「俺も宿舎でいいっすよ?」「却下ア!」本丸御殿に叩き込んだ。
翌朝、城行きの鉄道で…一行は、馬車よりも早い汽車に驚き、安定した乗り心地に驚き、素早く過ぎ去る景色に驚いた。王女も「あわわわ、あわわわ!」と文字通りの驚きを見せる。
なんか可愛い。昨日は殴ってしまったが、何故か憎めない。
その後も並木道や南之院に見とれつつ、目の前に迫る護児城の建築群に驚きの声を上げる。
「あの様な美しい塔は見たことが無い…」姫も呟いた。
そして汽車は、本丸…ではなく、三之丸大手前で停車し、一行を大手前の避難宿舎へ詰め込んだ。かつて妻達と花見をしつつ城を眺めた、簡易温泉を拡張したものだ。
「これは…清潔ではあるが一国の王族を迎えるには殺風景ではないか?あの高く聳える塔が貴殿の城の中心ではないのか?」こいつ自分の立場が解ってないな。
「あのねダキンドン国のお姫様。あなたはこの城を戦争に巻き込もうとした、私達の敵なんだよ?何で歓迎しなきゃいけないんだ?」ちょっと腹立ったのでまくし立てた。
「以前父上が御用商人から、魔の森の中に見たことも無い美しい、木でつくられた城があるという噂を教えてくれた。王女たる私が招かれるのも当ぜぶぶっ!」またビンタかましてしまった。
「ガードナー卿も商人も少なくとも敵ではなかった。しかしお前は違うだろ!
彼らは未知の存在である私達に、礼を以て接した。だから私達も礼を尽くした。
お前は違う!王家にありながらこの子らが捨てられて行く惨状を顧みなかった、我らの敵だ!」
この姫は、勘違いしたままでいる。この勘違いを治さなければ、この娘達は私達の敵のままになってしまう。厳しくても言わなければならない、解って貰わねばならないんだ。
「何が王だ!何が姫だ!生きて匿ってやっただけ感謝しろ!
感謝って心があればそんなフザけた戯言をその口から吐きだす事もなかろうがな!!」
姫は何か夢を踏ん潰されたかの驚愕の表情で、泣き出す寸前の顔でこっちを見てる。
御供の女騎士達は…自国の姫が知らないオッサンに何発もビンタかまされた上に謎の乗り物で謎の城に案内されて、また姫ビンタを目の当たりにして唖然としていた。
城の子供達もなんか見ちゃいけない物を見てしまった様な顔で無言で身の回り品を配っていく。
何とも形容し難い空気の中、勇気ある女騎士の一人が恐る恐る発言する。
「あの~、助けて頂いた身で言うのも何ですが…それ以上我らが姫に手を挙げるのは…止めて頂けないか?これでも我らが忠義を捧げた姫なのです」
「これでも?!」部下のサポートに姫がツッコんだ!
「今回の無理筋な魔の森行進も、姫なりに王国のためにと思われたからなのです!」「無理筋?!」
「あのね…君達も魔物の餌食にされそうだったのにコイツを庇うの?」
「コイツぅ?!」
姫のツッコミが一々鮮やかだ。
「姫は、恐らく貴殿の言われる捨て子、そして国から見捨てられた、というあたりが全く解っていないのかと存じます」「そこまで頭がよろしくないのです」
「ちょっとみんな色々ヒドくないー?!」
命を懸けてついてきてくれた部下にここまで言われるって、余程残念なオツムの子なんだろうか?
ちょっと彼女達だけにして作戦タイムをあげる事にした。
鎧や武器一式を取り上げた上、避難宿舎を外から閉鎖した上で、護児城一同は引き上げた。念のため三之丸大手を閉じ当番を置き、三之丸商店街に住み始めた主人には武装をさせ、王女一行の暴発に備えた、その心配はないのは解っているが、威嚇のためだ。
幸い、姫一行が建物から出たり、不審な振舞いをする事は無かった。
さて、この娘達をどうするか。
今回はキャラ図も同時掲載できました。最初は何となくハーフエルフのウェーステと似たイメージでしたが、中身は似ても似つかぬ珍獣。こんな形になりました。表情サンプルも載せてみました。
なお激情に駆られた主人公と姫が一部不適切な言葉を発しましたので、訂正させて頂いております。
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