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第21話 得か損か

 朝になった。

 昨晩はする事が無く、明かり用の油は別料金で高く早く寝るしかなかった。


 朝食のため1階の食堂に降りていくと、もう食べ終わる人が殆どの様だ。

 私は厨房前に並ぶとトレーを受け取った。


 昨日と同じ野菜の煮込みと茶色い化石パンだ。

 そしてスープにパンを浸しふやかして食べる。

 不味い!!

 しかし食べないとお腹が…。

 食品ロスなんて考えられないわよね、きっと。


 私は仕方なく食べているスプーンを置き席を立ち上がる。

 さすがにもう食べたくありません。

 店を出て馬小屋に行くとシルバーが嬉しそうに鼻を鳴らした。

 

「クゥ~~~ン!!」

「まあ、甘えん坊さんね、シルバーは」

 そう言いながら私はシルバーの頭をなでる。

 さあ、朝食よ。

 ネットスーパーで牛肉肩ロースステーキを、5kg購入しお皿に入れてだした。


 バク、バク、バク、バク、バク、バク、バク、

  バク、バク、バク、バク、バク、バク、バク、

 シルバーはどんどん肉を食べていく。


 良かった。1匹でもこの食欲なら5匹居たら破産だったわ。

 ごめんねみんな、そんなことを思いながら肉を食べているシルバーを見ていた。


「やあ、朝から豪勢だね」

 声を掛けられ振る帰ると、昨晩会った商人風の男性だった。

「あぁ、おはようございます」

「しかし、これだけの良い肉が手に入るなら、肉屋を開いたらきっと繁盛するよ」

「そうでしょうか?」

「勿論だよ。肉は塩漬けにした肉を(あぶ)って食べたり、水に戻したものを調理している。保存が効かないから、生肉があるなんて贅沢だからね」

「そうですか…、でもこの子の分で精いっぱいで」

 や、やばい。

 目立ってしまったかな?


 私は話を切り上げ宿屋に戻った。

 泊っていた人達がそれぞれ旅立っていく。

 さあ、私も行こうかな。

 宿を引き払いシルバーを連れ、ヤルコビッチさんの店に向かう。


 時間が早いせいか人が多い。

 でもいったい今は何時なのかな?

 時計が無いから時刻がわからない。


 店に着くと店先でヤルコビッチさんが、品物を出している所だった。

「おはようございます!ヤルコビッチさん」

「あ、おはようございます!スズカさん。少し待ってくださいね」

 そう言われ私は品出しをボ~と見ていた。


 この店はどうやらヤルコビッチさんと奥さんのリリーさん。

 そして従業員1人の店の様だ。

 まあこの広さなら3人居れば十分だよね。


 しばらく見ていると準備は終わったようだった。

「お待たせいたしましたスズカさん。さあ、店に参りましょうか」

 そうヤルコビッチさんに言われテナントを見に向かう。


 しばらく歩くと戸口4枚の1階建てで木造の建物が見えて来た。

「さあ、ここです。中へどうぞ」

 戸を開けてもらい中に入れてもらう。

 中に入ると2mくらいの空間があり、その奥にはカウンター台がある。


「ここは以前、私の店があったところです。今では手狭になったので引っ越しましたが、ここから我が商会が始まりました」

「そうなのですか。思い入れのある場所なのですね」

 カウンターの奥に入ると住居で、六畳くらいの部屋が一間に台所がある。


「いつでも貸すことが出来るように、掃除はちゃんとしていましたから」

「そうですか。でもお家賃はおいくらでしょうか?」

「15万と言いたいところですが、スズカさんなら10万で良いですよ」

「10万ですか?」

「実はここは店にしては小さく、住居としては広く借手が中々つかないのです」

 確かにそうかもしれないわ。


「それに本通りから道1本入っておりますので、人通りも多くはありません」


 ほう、そんなところを月10万で貸すと?

 いつも応援頂いてありがとうございます。

 物語と更新は、まったり、のんびりと進みます。

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