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第102話 予感

 私は両替商でお金を換金し、再び宿屋を訪れ宿泊を頼んだ。

 夕食を食べシルバーは馬小屋に、ポポンは私と一緒に部屋で寝ることにした。

 シルバーは『影移動』を覚えたけれど、ずっとそのまま影の中に居ることは出来ないみたい。

 だから素早く移動したいとき以外は使い道がない。

 まあ影の中にずっといられたら変だものね。


 しかし明日はなにをしようかしら?

 店をやっていたから早起きをしたけど、働いていなければ早く起きる必要もない。

 お金も十分あるし、今からご隠居生活には早いし。

 まあ、シルバーの運動がてら冒険者をやっていこうかな。


 夜の日の夕食はハッシュドビーフだった。

「このシチューは、公爵様が流行らしたものです。とても美味しいですから」

 宿屋の店員さんが自慢げに話す。

「お食事後にプリンはいかがでしょうか?甘くてこれも定番ですよ」

 300年が経ってハッシュドビーフや、プリンが定番になっているなんて。

 なんだか恥ずかしいわね。




 その夜は疲れがたまっていたのかぐっすり眠れた。

 朝食を食べシルバーとポポンに食事をあげる。

 さあ、お出かけをしましょうか?


 私は宿屋を出た。

 すると人々がたくさん集まり賑わっていた。

 何かの集まり?


 私は道行く男性に聞くことにした。

「あの~、すみません」

「なんだいお嬢ちゃん」

「この騒ぎはなんですか?」

「あぁ、あれかい。それは東にあるアスケルの森に遠征に行くのさ」

「遠征?」

「そうさ、定期的に魔物を間引かないと、スタンピードを起こしかねないからね」

 300年前にも遠征してたくさんの死者を出しているに。


「ドラゴン退治に行くとかはないですよね?」

「もちろんさ、そんな馬鹿なことはしないと思うよ」

「たくさんの魔物を狩れば素材を持ち帰るから肉や素材が街を潤すのさ」

「そうですか」

「それに指揮をしているのはブランドル公爵家だしね」

 ワイアット公爵様のところね。

 懐かしいな。

 でも誰も知っている人は生きていないよね。

 知り合いが老いていなくなり、私だけ生きているなんてなんだか悲しい。



 そんなことを考え歩いていると突然、建物の窓から植木鉢が落ちてきた。

 あれ?

 歩いて行くと今度は黒猫が私の前を横切る。


 今日は良くない事が起こる前兆かしら?


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