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19話 なんだこのモフモフ天国は!


 ・作成台(クラフトテーブル)

 ・無限収納庫(アイテムボックス)

 ・【無限キノコ】

 ・素材(マテリアル)変換機(コンバーター)

 ・金属(メタル)探知機(ディテクター)

 ・【アイアンスライム】

 ・スライム吸引機(アブソーバー)


 これだけあれば、ルキアール王国のみなさんだけでも線路が作れますね。

 操作(コンソール)境界面(インターフェース)の使いかたも、リシアンさんに教えてありますから、もう安心してエルムンドキアに帰れます。


「ではリシアンさん、あとは大丈夫ですね?」


「はい。線路を作って、それを森へ向かって並べていく……でしたよね」


「そうです。私はエルムンドキアからルキアール王国へ向かって線路を繋げていくので、中間地点で落ち合いましょう」


「いろいろとお世話になりました。線路が繋がって、やり取りできるのが楽しみです」


「そうですね! 私も、またリシアンさんとお会いできるのを楽しみにしています」


 名残惜しいですが、そろそろエルムンドキアの状況も心配です。

 みなさん、元気に暮らしていますでしょうか?

 ユシルは?

 【ネオエルフ】たちは?

 ゴブリンたちは?


空中浮遊(スカイムーブ)!」


 私は急いで森へと向かいます。

 久しぶりに、はやくみんなに会いたいです。





「……って、これはなんなんですかあああああああ!?」


 ――モフ。


 ――モフモフ。


 ――モフモフモフ。


 私の身体のまわりを、モフモフたちが行ったり来たり。

 緑のモフモフ、黄色のモフモフ。

 くしゃみが出そうです。


「エルキアさま、お初にお目にかかります。私はモフモフ連合の代表、モルコと申します」


「はぁ」


 私の前に現れたのは――喋る羊……なんですかね、これ?

 なにか彼らだけ作画が違う……というか、そこにいるだけで(・・・・・・・・)違和感があるような見た目をしています。

 500年生きてきましたが、こんな生物は初めてです。

 この森の瘴気がはぐくんだ、特殊な生き物なのでしょうか?


「あの……だれか状況説明を頼めますか?」


「はい! 私が説明しましょう!」


 そう名乗り出たのは、ユシルだったでした。

 ユシルと話すのもなんだか久しぶりな気がしますね。


「ママがいない間に、彼女たち――モフモフ連合の方たちが突如、このエルムンドキアに現れました」


「はぁ、」


「彼女たちはなんと、この国の偉大さに恐れおののき、ママこそがこの森の指導者だと確信したそうです!」


「そうなんですか……」


 つまり、この国に完全降伏し、仲間に加わりたいと……そういうことですか。

 まあ私もモフモフはそこそこ嫌いではありませんし……いいでしょう。


「えーっと、モフモフ連合の……モルコさん、でしたっけ? エルムンドキアの王として、あなたたちを歓迎します」


「ありがたきお言葉! 恐悦至極に存じます」


 それにしても……喋る羊というのも慣れませんねぇ。

 なんとかならないものでしょうか……。


 ですがその懸念は、すぐに晴れることになります――。





「おはようございます、エルキアさま!」


「うわぁ!? ……っと、誰!? ですか……?」


 翌朝私の前に現れたのは、謎の羊人間でした。

 ですが私が驚いたのはその奇妙な見た目にだけではありません。

 彼女はどこからどうみても、人間の美少女そのものだったからです。

 半裸の美少女の身体に、羊のモフモフがくっついているような……そんな見た目。


「私です! モフモフ連合の代表、モルコですよ!」


「えぇっ!? あなたが昨日の羊なんですか!?」


「そうですよ! 昨日あんなにモフモフした仲じゃないですかやだー」


 そんなことを言われても……こうも見た目が違っているのでは……。

 いったいどういうことなのでしょうか?

 以前にもゴブリンたちが人化するという現象がありましたが……。

 あれは世界樹の力だったのでは?


 私が疑問に頭を悩ませていると……。


「きっとママの魔力のせいですね」


「私の魔力ですか? ユシル、なにか心当たりが?」


「ええ、ゴブリンたちの人化は、世界樹のせいだと思っていましたが、どうもそれだけではありませんね……。ママの魔力に世界樹が、呼応して、この現象を引き起こしているんだと思います」


 なるほど……だから私がこの国に帰ってきた途端に、彼女たちは人化したと。

 それにしても、羊人間……可愛すぎます。


「えいっ! もっとモフモフさせてください!」


「えぇ!? エルキアさま! お戯れを~!」


「逃がしませんよ~! うりゃうりゃ! モフモフ!」


「あ、ずるいですママ! 私もモフモフします!」


 私とユシルは、モルコさんを追いかけ回し、たっぷりとモフモフさせてもらいました。

 これで数週間はモフモフ成分を接種しないで済みます。


「ふぅ……」


「え、エルキアさま……大胆ですぅ……こんな真昼間からぁ……」


 モルコさんはなぜか顔を真っ赤にして座り込んでしまっています。

 彼女にとっては、それほど恥ずかしいことだったのでしょうか?

 だとしたら少し申し訳ないですね。


「モフモフさんたち的には、モフモフされるのはあまりお好きではないんですか?」


「うぅ……そうではありませんが……その……ゴニョニョゴニョ」


 モルコさんは私に近づき、耳打ちをします。

 その内容は、モフモフを人間同士の行為に例えて説明したものでした。

 あまり大きな声では言えませんが……私も思わず顔が赤くなってしまいます。


「えぇ!? モフモフって人間でいうところの、そんな行為に相当するんですか!? それは、ちょっと申し訳ないことをしてしまいましたねぇ……」


「いえいえ! 決して嫌ではありませんので! む、むしろ……エルキアさまなら大歓迎です! ただちょっと……いきなりだったので恥ずかしかっただけで……」


「あ、そうなんですね。ならよかったです。今後も遠慮なくモフモフできそうです」


 そんなこんなで、新しい種族がこの国に加わりました!


 ここらで一度、国民の内訳を見てみましょうか。


・エルフ一人(私です)

・世界樹の精霊一人(ユシル)

・【ネオエルフ】30人(また増えてました)

・ゴブリンたち50人(内オーク4人)

・モフモフさんたち20人(羊タイプ5人、猫タイプ10人、狐タイプ5人)


 けっこう賑やかになって来ましたね……。

 でも当分は大丈夫なくらい、家も食料も余っています。

 あとはルキアール王国との線路を開通させれば、とりあえずの一仕事は終わりですね!

 エルムンドキア再興も目の前です!

 頑張れ私!


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