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ばばだばだばだ  作者: 中川藤一
1/1

おばあちゃんが死んだ。突然のことだった。

私の周りで誰かが死ぬなんて驚きを隠せない、そもそも隠そうともしてないのだけれど。

急遽決まった葬儀やらなんやらはまだ判断がままならないまま、母が手配し呆気なく終わった。がやることはまだ残ってる。

おばあちゃん家の片付けだ、おばあちゃんはおじいちゃんに5年前に先立たれて一人暮らしだったのだ。残された遺族で片付ける他なかった。

母と父は仕事やら何やらでそれどころではなく、なかなか手がつけられないときた。一方のおいらは"ふりーたー"で毎日あさから夜まで仕事ずくしなんて事はなく、夕方から夜中にかけて働き朝帰ってくる生活をしている。

おいらだって働いているのだから片付けなんて断っても良かったのだろう。しかし聞くところによると片付けてくれるならおばあちゃん家にあるものは好きなものをくれるという。

現金なやつと思われたに違いないがそんなふうに思われてでも、なんでもくれるというなら行くしかない。"ふりーたー"には時間があっても金がないのだ。今は"ふりーまーけっとあぷり"があるから物品なんぞすぐ金になる。そんなこんなで気分が高まり始発の電車に乗り2時間かけて二つ県を跨ぎおばあちゃん家にやってきたのはそれから一週間後のことだった。

部屋に入って驚いた。片付けといっても几帳面で綺麗好きな人だったので部屋は整理整頓されていた。こんな状態でも好きなものをもらっていいのだろうか。構うものか向こうも一度言った事だ取り消すまい。

肝心な家の広さは一人で探すにはかなりあったが幸いにも平家だったので不便はしないだろう。

部屋は綺麗にしたことにしてお宝探しといこう。

しかしあれだなこんなに整理整頓がされている家においら一人で部屋を探索していたら物取りと勘違いされ近所の人に通報されるかもしれない。そうなってしまっては宝探しなんてしている場合ではなくなってしまう。そうだ先に近所に挨拶回りに行くとしよう。そうすれば怪しさもなく、健気で可愛らしい孫が部屋を掃除しにきた、と、近所の人も思うだろう。

いや待てよ今はまだ朝の8時前、こんな朝バタバタの時間に挨拶なんかに行ったら常識の欠けたしょうもない奴が来た、と、思われるかもしれない。ではこうしようまずおばあちゃん家でひと寝して頃合いを見て挨拶しに行こう。いつもこの時間はバイトを終え家で寝ている時間だから丁度眠気もある。我ながら素晴らしい、それではおやすみ。。いや待てよ、

なにか"たおるけっと"のような上からかけれる物を探さなくては安心して寝れないじゃないか。しかしおばあちゃんが使っていた寝具をそのまま使う気にはなれないし、そうだ帰省したとき用の布団がある筈だそれを使おう。和室まで行き押し入れを開けると布団と毛布が一緒に置いてあった。

それを和室へ取り出し敷いているとさっきまで布団がぎっしり入っていた押し入れからぽろっと手のひらサイズの招き猫が出てきた。

とりあえず拾い上げ枕元に置き今度こそ仮眠に入るとしよう。何時間寝れるか確認しよう携帯を見ると7:54と表示されていた。3時間くらい寝れるなおやすみ。

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