凶悪な森の話
回復祝いの翌日。
スズはビサロの町はずれに来ていた。
ビサロの町の周りは凶悪な森で囲まれているので、少し町から外れると木々が立ち並び、奥に行くにつれて闇が深く濃くなっていく。
町の周りには草木は青々して気持ちがいい。
その草原の一画にて魔法の練習をしている。
この国の魔法は無から生成。突然モノが現れる。なんてことは出来ないし、やれない。
そこにあるもの。存在するものの力を借りる。
魔石の魔力を使用する。火・水・風・雷 その時々に応じて力に変換させる。
魔石は1度使用すると普通の石に戻ってしまう。
この、凶悪な森の奥にある【ダンジョン】にて魔石は取れるらしい。
その魔石を他の町や国に売ってビサロの町は成り立っている。
スズは魔石の魔力を使用する練習を行っている。
まず、魔石を両手にて握り、魔石の魔力を感じる
ジワジワと魔石に熱がこもる。
魔石が赤や黄色に発色しだすと魔法を使用する。
【ファイヤー!】
小さな火の玉がフワフワ~と飛んでいる。近くの岩にぶつかりプスッと消える。
練習に使っている魔石は、練習用にとエルザ姉が狩りの途中で拾ってくれたものだ。
小さすぎて売り物にならないらしい。
でも、使い方を取得すれば、目の前の岩をも砕ける力があるらしい。
ウソかと思っていたらヨハネおじいが、もっと小さな魔石で目の前の岩の倍以上ある岩を破壊した。
あれにはエルザ姉も私もビックリした。
取り合えず、基本は集中力らしい。
あと、センスが重要と自慢していたけど・・・
1時間ぐらい練習してるとサーニャが見ているのに気付いた。
「おはよう。サーニャ」
「おはようスズ。どう、コツは掴めてた?」
サーニャは私達より7つ年上で冒険者だ。
ダンジョンでの探索や魔石の回収にて生活をしてる
もちろん、私より魔石に扱いには精通してる。
「またまだ、かな。岩に当てるので精一杯で・・・当たってすぐに消えてしまうわ。」
「そうねぇ、ヨハネさんとかエルザは人に教えるのが苦手。というか・・・見れば分かるだろ?て感じだもんね。普通の人は分かんないてのに・・・」
そう、天才とか秀才とか才能のあるものは普通の人もしくは才能の無い人の問題が分からない。
分からない事が分からないのだから何を教えていいのかも分からない。
だから集中だのセンスだのという言葉が出てくる。
「じゃ、具体的には?」て質問すると答えは返って来ない。
その点、サーニァは努力の人だから私の分からないを分かった!に変えてくれる。
「まずは、そうね。魔力を感じる時間。そう魔力の流れを感じるまで握っていると良いわ。自然と魔石との同調が取れるようになるから」
「どのくらい握っていればいいの?」
「それこそ、人それぞれだから見えてくるまでかしら。私は最初の方はまる1日握っていたわ。それが、1週間続いて、ある時、閃いたて感じだったから。
なるほど・・・・一週間か
それから、一週間、魔石を手元に置いて魔力の流れを感じる練習に費やした。
一週間後、いつもの草原で練習してると珍しくエルザ姉がやって来た
何時もだと、狩りに行っている時間なのに
「あれ?エルザ姉。どうしたの」
「帰るよ。おじいが呼んでる。ダンジョンで行方不明のパーティが出たんで帰って来いて。マサラのパーティが行方不明らしくて、おじいもダンジョンに潜るて言ってた。」
「マサラて中級冒険者のパーティだよね。何があったんだろ?」
「さぁ、取り合えず支度して家に帰ったらおじいの準備を手伝わなきゃ。スズは薬草と薬の準備ををお願いね。」
「うん。わかった。」
「どうやらオロチが出たらしい。多分、あやつの事だから喰われてはいないと思うが・・・どうも、今のパーティではダンジョンから脱出できないみたいだ。」
オロチ・・・蛇が魔石を食べて、食べて変化したもの、魔石と一体化しているために火を吐いたりできるらしい。
ヨハネおじいは沢山の魔石と食料・薬を持って救助のパーティに加わる。
わたしとエルザ姉はお留守番だ。
エルザ姉は行きたくてウズウズしていたけど・・・流石に足手まといかなぁ




