明日、世界が終わるなら明日まで生きていようと思う。
両手を上げてみた。
後、20センチで天井に届いてしまう。
しかし、それまでだ・・・
天井には届かない。
椅子にでも登ってみるかな
この世界では孤独すぎる。
時代が違えばと
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人の寿命が永遠に近くなり、非死の時代
病気では死なない。
健康はシステムで管理され
老化は緩やかになり平均寿命は1,000年を超えたとき
人の死因の90%は自殺になった。
そして人は【神人】と呼ばれていた。
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「なあ、おれ、惑星探査に出ようと思うんだ。」
「それ、あれか? 俺らの死因の50%の原因の」
「そう人気ナンバー1の就職先だ」
「ワーストの間違いだろ」
この時代、なかなか【神人】は死ねない。
この時代、なかなか【神人】は生まれない。
そのかわり、人に似たものが量産されていた。
ビーカーで作られたモノ【ナンバーズ】。
行動を管理され。寿命を管理され、ただただ働く…働く
その中で、唯一管理されない職業
惑星探査船に乗る事
しかし、それは片道切符の帰り便は無し
「でもよ。それしかないんよ。それしか 自由が欲しい。たとえ片道でもよ」
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「あ~、であるから、希少金属を探査船に載せる。お前らは、その星で・・・まぁ、次の探査船が来るまで・・・」
もちろん、次の船なんて来ない。
船は希少金属を載せて、人の・・・【神人】に似た俺達の帰る場所などない。
しかし、僅かな希望がある。
その星に空気があれば・・・植物が育っていれば・・・その星で生きていければ
【自由になれる。本当の自由に・・・】
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第二面接・・・失格
「ネズミの探査船失格に乾杯!」
遠くでゲンゴロウは高々にエールを掲げる。
俺は固くなったパンを齧りながらゲンゴロウを睨みつける。
「ハッハッハ 残念やったよね。1000分の1の確率やてな。」
高らかな笑い声が響く。
そう、まずこの面接で落とされることは無い。
ありえない・・・・
自殺志願に落選したようなものだ。
「俺は・・・・俺は クソッ。」
「そう荒れるなよネズミ。多分、あれだ。今、合格した奴らは到着した星で、息も出来ずに死ぬ。そう思ったら、次回、合格すれば星で生き残れる。そうだろ?」
ウジナはそう言って、濁った酒を食らう。
ビーカーで生まれた俺達には名前が無い。
だから、呼び名も適当だ
【神人】からは番号で呼ばれ、番号の中でも下級層と中級級層がいる。
下級層は俺やウジナ。は下級層だ
中級層はゲンゴロウやトンボ、ハチ
そして上級層は二人しかいない。
カブトとクワジだ。
どちらも狂暴で中級の奴らはビビッている。
でも、俺ら下級層はビビらない。と言うか相手にもされない。
中級層も上級層の二人も、どんなにムカつこうが俺らを殺そうとはしない。
1人殺してしまうと1人中級層から下級層に落ちるだけだ。
だから、下級層は殺さない程度に毎日、ボコボコに殴られる。
ムシカゴ(溜まり場の飲み屋)から出ると
外でミミが煙草をふかしていた。
「や!ネズミ。今回は残念だったね。」
「ミミ。今回もだろ? もう6回目だ。もう、いい加減。いい加減・・・うんざりだ」
「そうね。ネズミ。探査船。今の仕事よりは・・・ま・と・も?」
「ああ、今のあれが仕事と呼べるならね。ところで、次の惑星探査船は誰に決まったん?」
「ムシカゴからはコガネが頭で赤トンボとカマキリ、それに、クツワだね。他のかごから、各々4体の総勢50体だね。」
「ミミ。自分達を体とかで数えるの止めね?俺らはビーカーで生まれたけど、聞いた話では【神人】とあんま変わらないらいしし」
ミミは煙草の煙を吐きながら
「チョ?ネズミは・・・そんな事を聞いたら殺れるよ?」
「俺は別に構わない・・・」
「あたしが困るのよ。ネズミと心中じゃない。」
そういうとミミは足早に大通りの方にそそくさと行ってしまった。
「おやすみ。ミミ。」
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翌日、俺とウジナはミミの死体を片付けていた。
両足が足首から無い。
どうも、走れないようにして、頭は・・・とゴミ箱の中か・・・
「なあ、ネズミ。ミミは【神人】とぶつかったそうだ。暗闇からいきなりだったそうだ。」
「それでか・・・運が悪かった。」
ミミは人にぶつかり、そして、人は持ち物を落としてしまった。
事故だった。・・・・ミミは気の優しい・・・だった。
で、俺とウジナの仕事は壊れた【ナンバーズ】の回収と廃棄そして、清掃だ。
その際、蛍光のベストを着ている。
他の奴らが近づかないように・・・【神人】に分かるようにだ。
こんな、クソみないな仕事。誰もやりたく無いだろ。
ムシカゴの前を通ると、みんなが集っていた。
ゲンゴロウが青い顔でいる。と目が合う
「おい、ゲンゴロウ。何の集まりだ?」
「神々の遊びの日が決まった。今回は、生き残れないかもな」
それだけ言うと、俯いてムシカゴの中に入っていった。
神々の遊び・・・人は今回は何をするんだ?
木の看板に文字が浮かび上がっている。毎度、思うんだがどんな仕組みだ。
どれと、文字を読む。
:::::サバイバルゲーム:::::::
1 今から一週間後。
2 会場はムシカゴの住処のナンバーズ。
3 ナンバーズは私たちの操る飛行機・戦車・ロボットを倒してボーナスを稼ぎましょう。
(もちろん。反撃を行う。)
4 勝利条件
〇3日間で星型のマークがついたボスロボットを倒すか。
〇3日間生き残る。ボーナス2点
飛行機を落としたナンバ- ボーナス 1点
戦車を倒したナンバー ボーナス 2点
尚、ボスロボットを倒す 3日を待たずに終了
ボスロボットを倒したナンバーには名前を与える。
以上
逃げ場所の無い地獄の3日間が始まる。
蹂躙される・・・
ムシカゴにはいると、カブトとクワジその他ムシカゴのムシ達が打ち合わせをしていた。
「今回のサバイバルゲームはナンバーの上級・中級・下級は関係なしにみんな平等にぶっ殺される。下級の奴を盾にする何て事をしても無駄だ。ロケット砲で5メートル範囲は粉々だ。何処に逃げる?」
「地下は?」
バッチが叫ぶ
「前回は毒ガスでやられた。」
「山の麓の洞窟は?」
「袋のネズミだろ?今回は飛行機には小型ドローンもいるらしいぞ。」
「おい、ムカデ 策はあるか? お前が一番長く生き残ってるんだ」
ムカデはムシカゴの中では最長で、数えきれないほど神々の遊びを生き残っている。
ムカデはムシゃムシャとスルメを噛みながら喋る。
「ワシは逃げ足と運が良かっただけだ。」
「チッ、使えない。毎回自分だけが生き残りやがって・・・」
そう、生き残る秘訣は誰にも教えない。教えると生き残る確率が落ちるだけだ。
しかし、今回の頭のカブトは真面な奴だ。
真剣に、本当に真剣に生き残る策を考えている。
・・・危ういな。そんな、責任感強い奴から死んでいく。
(だから、良い囮になってくれれば・・・良いのだが)
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家に戻るとウジナがいた。
ウジナは家の補強をおこなっていた。
「ウジナ、今回はどう逃げる。前回は死体の山の中に潜った。」
「ネズミ、今回の戦車は火炎放射機付きだ。死体は焼かれる。隠れたら俺達も黒焦げだ。」
ウジナは窓に釘を打ちながら
「今回は開始と同時に家を爆破する。その中に隠れる。補強したほうが見栄えが良いだろ?」
「そうだな。人も壊れた家の中に隠れてるとは思ないだろうな。」
「それなネズミ。今回のキモは壊れた家の地下室をワザとチラ見せするんだ。そうすると人は地下室に毒ガス、もしくは手榴弾を入れるだろ。で殲滅させたと思わせる。」
「で、俺は壊れた家の冷蔵庫の中で3日間過ごす。と」
「ネズミ。今回は本当に星を殺すの?」
「ああ、星ロボットを倒す。もう精神がもたない。」
ウジナは俺をみて頷く。
「あと、1週間ある。よく考えろ。」
そういうと、窓のにトントンと釘を打つ。
そう、あと、1週間ある。
準備を怠るな。
自分の部屋のベットの下から銃を取り出す。
ハンドガン1丁
ライフル 3丁
自動小銃 1丁
すべてジャンク屋からの横流し品を自分で修理・改造した。
ある噂を耳にした。
今回のボスロボットには【神人】が搭乗しているらしいと。しかも、事あるごとに俺達の居住区に入ってきている奴らしい。
いい奴ら、大切者は先に死んでいく。
ミミや他の奴らも、その【神人】さえ来なければ死ぬことは無かっただろう。
これは、ナンバーズと呼ばれた人もどきと神になった【神人】との戦いだ。




