3年後の世界より
ヨハネがダンジョンの奥に消えて3年。
スズと私は商業都市ピサモに住んでいる。
あれから、ピサロの街は封鎖された。原因はドラゴンだ。誰も倒せない。そして、攻撃をされたると防ぐ手立てがない。そんなドラゴンのそばにでは生活ができないとピサロの街は段々と人がいなくなり、今ではドラゴンの監視塔が建つのみで・・・町は崩壊した。
私とスズはヨハネが残した少しばかりの財産で生活してる。
私が猟で生計を立てることも可能なのだが、私たちの年齢では、このピサモに住むとガッコウというものに通わなくては行けないと決められている。
渋々、ガッコウに通いベンガクに励んでいる。
ガッコウではセンセイという方から教えてもらっているのだが、私たちの担任はピサモにいた頃のギルマスのナポリがセンセイをしている。
今や、孤児となとった私とスズの預かり人みたいな事もしてくれている。
「で、あるから、ピサモの商業都市は通貨ルピィが使われるようになった。このルピィのお陰で魚や肉の価値と鍛冶屋で売っているナイフ、工芸屋で売っている籠の価値を適正な価格でやり取りが出来る。そのルピィの価値を保証しているのが、パルテール帝国の王である。つまりは・・・おい、エルザ!寝るな。まぶたを開けろ。」
ナポリはエルザのデコにデコピンをする。
ナポリは元はギルドマスターである。只のデコピンではない。下を向ていた頭がデコピンのパン!という音とともにエルザの頭が後ろにひっくりかえる。
普通の人間ならば、その一撃で気を失うだろう・・・・
「うぅ・・・痛い。」
エルザがデコを右手で触りながら涙目になっている。
いや、泣いているのか
ナポリが指を弾きながら
「おお。目が覚めたか。みんなも眠たくなっら言ってくれ。俺の指で起こしてやる。」
と言っているが弾いた音はブーン。ブーンとクラス中に響いている
その音を聞き、ほかの生徒たちは青くなる。
あれは食らったらいけないだ奴だ。
運が良くて記憶が飛ぶ。下手すれば命が飛ぶ。
授業がおわり、下校途中にスズがエルザに話しかける。
「エルザ姉はよく、ナポリの授業で眠れるね。」
「え?スズは眠くならないの? ナポリの声が子守唄に聞こえない?」
エルザは不思議そうにスズに聞く。
スズはその不思議そうな顔でみるエルザの顔をみる。デコピンの所為でオデコが赤くなっている。
その、デコはみんなに緊張感を与えるには十分だよ
「まぁエルザ姉は鏡でよく自分の顔を見るといいよ。あのデコピンを見ると皆寝ようとは思わないと思う。」
「でも、私はあの時、もう少しで手が届くう夢を見ていた。本当にあと少しだったんだ。」
エルザは拳を握りならつぶやく。
「さて、今から剣と魔法の練習だ。今日も10本先取で負けたほうが食事当番だからね。」
・・・・私は一回もエルザ姉に勝ってないけど、とスズは愚痴をこぼした。
最近の練習内容は、エルザは気配の探知からの剣捌き、スズは魔法の鍛錬になる。
エルザは目隠しをした状態で剣を構える。
スズは気配を消すことに集中し気配を消した状態にて魔法でエルザに攻撃を繰り出す。
通常の魔法攻撃では目隠しした状態でもエルザに剣で簡単に防がれてしまう。
今日は水魔法でアイスロット作り風魔法で飛ばす。
エルザは物が飛んでくる気配を察知し剣で弾き飛ばす。
スズはアイスロットを何本も連続で投げ込む。
今回のスズの秘策は、超低速でのアイスロットを1本紛れ込ませてる。
通常の50分の1の遅い速度で飛ばしている。
本来、そんな速度で飛ばすと、もちろん落ちてしまうが形状の木の葉型に改良し透明で薄く加工している。
速いスピードで飛んでいる矢の中でその超低速な矢を見極めるのが困難であろう。
そうこうしているうちにエルザの間合いに矢が入る。エルザまで、あと、30センチ・・・20センチ・・・・10センチ・・・・5センチ
あたる!
と思った瞬間。エルザが自分の周りに高速の剣を走らせる。
あえなく、低速の矢はエルザの剣に防がれてしまう。
「ああ。もう少しだったのに・・・」思わずスズから声が漏れる。
エルザは目隠しを外して、下に落ちた矢を確認する。
「なるほど、薄く、平らにすることで・・・音と気配を消して・・・まったく気づかなかった。」
「ええ!気づいてるじゃない。私の秘策が・・・」
「いや、気づいたのはスズの気配だ。矢が飛んでないはずなのに気配が大きくなった。本当にわかりやすいぐらいに。念のため剣を周りに払ってみたら上手く矢に当たった。」
「そうなんだ。私の気配が・・・・修業が足りないなぁ。」
「でも、いい攻撃だと思う。今までにない発想だ。うまくいけば、上手くいくと思う。それよりも、もういい時間だ。夕飯の準備を今日は二人でやろう。」
エルザは剣を鞘に納める。
「今日は、近くで取れてたキノコと燻製肉のスープだ」
二人は家に帰ると夕飯の支度を始める。
お湯を沸かしその中に干しキノコを入れる。煮立ったら燻製肉のこま切れとオニオンスライスを入れ、塩で味を調えれば完成だ。
それと、暖炉で温めていたパンを齧りながら
「町で聞いた話だと・・・あのドラゴンは他のドラゴンとは異なる種族みたいだね。」
エルザはパンに齧り付き引きちぎる。モグモグ。
「どう違うの?実際、見たことないし。」
スズはパンを指で契ってスープに浸して柔らかくする。はむ。
「まず、大きさが他のドラゴンよりも小さいらしいけど、攻撃力がけた違いに強いらしいよ。あの時、うち等の村の精鋭達の攻撃が全く当たらなくて、あのドラゴンの攻撃でケチョンケチョンにやれらてたし。うちらの村の冒険者はかなり、名前の売れた人ばかりだったのにだよ。」
「そうだよね。みんな強かったもん。」
エルザはスープのお代わりをお玉ですくい、2杯目に突入する。
「最近の研究ではドラゴンよりもやっぱり、あのダンジョンのほうが研究対象みたいでさ。再度、調査隊を派遣することが決定したんだって。」
「私たちの出番だね。」
スズはパンをハムッと齧る。スープの水分を吸ってやわらかくて食べやすい。
「そう、私たちの出番だ。募集は1週間後にあるらいしから、それまでに情報収集だね。」




