凶悪な森の話
見るからに旨そうなウサギいた。
大きさは通常のウサギより一回り大きぐらい。後ろ脚は通常のウサギより若干長く・太い
一番の特徴が角が生えてることだ。
草をは食みなら恐ろしいスピードで飛び回っている
凶悪な森では時々、超旨そうなウサギがいる。
今夜はウサギの香草焼きかウサギのシチュ-だな
と、旨そうなウサギに見つかった。
奴らは通常のウサギより凶暴で犬も噛み殺すほどだ
旨そうなウサギは私を見ると目をギラつかせ臨戦態勢にはいる。
私を襲う気満々で爪で土を均しつつと、突然、後ろ脚で跳躍し私の足を狙って爪を振る。
ある程度、予測はしていたもののウサギの爪が若干掠る。が右に飛んで一回転しウサギの照準を合わせ弓を射る。
【ビュツ-】と矢が飛んでいくが旨いウサギは前足で弾き飛ばす。
が影矢が旨いウサギに命中する。
実は矢は2本射っていた。1本目は通常の矢、2本目は1本目に隠れて音もなく飛んでいく。
心臓を狙ったのだが矢がウサギの右足太ももに命中。運よくウサギの動きを抑える事に成功した。
「よし!」
本来ならば毒矢を使いたいが、肉が食えなくなるので今回は痺れ薬を塗ってある。
通常のウサギならばここで狩るだけなのだが・・・前足と左足でピョンピョンと跳躍し攻撃を繰り出してくる。
前足での爪攻撃。のあとの後ろ脚でのキック。
さらに、木を利用しての反転攻撃からの上下攻撃。
逃げ回ることに徹していなければ、何回かは攻撃を受けている。
「すごい、体力だ。こっちが先に参ってしまう。」
しかし、こっちは逃げ回りつつウサギが痺れてくるのを待つ作戦だ。
と、20分後に【ピクッピクッ】とウサギの太ももが痙攣しだす。
その隙に矢を後ろに仕舞い、投擲用の石をウサギに投げる。
【ドゴッドゴッ】とうまい具合に石が当たる。
ウサギの動きが遅くなっているので石を当てるは容易い。
更に動きが遅くなったのでウサギの後ろに回りこみ首の付け根を狙い槍で止めを刺す。
槍といっても竹の棒にナイフを括り付けた簡素なものだ。
一発で仕留める。しくじると反撃を喰らうので要注意だ
おじいによく言われる。
「凶悪な森の獲物を舐めるな。近づくな距離をとって戦え、止めもなるべく距離を保て」と
ウサギの血抜きを行い。槍にぶら下げる。
今日の収穫は5匹。
鳥が3匹、ウサギ1匹それに超旨そうなウサギが1匹。
ウサギ2匹は食料で残り鳥の3匹を町のギルドに売りに行く。
商業都市ピサモより、歩いて2日、馬で半日強。割かし栄えている町、ピサロ
周りを凶悪な森とよばる闇の深い森に囲まれてる。
しかし、凶悪な森の恵みにより成り立っている町
森がぬけると町の門がある
モンスターから守るための壁が高さ3mあり町を守っている。
町の門に一番近いところにギルドのクエスト完了受付と交換所がある。
ここで、クエストと討伐リストにサインをもらい。貨幣との交換は町の中央のギルド本体で行う。
凶悪な森に近い所為か?クエストも討伐リストも凶悪な森の生物ばかりだ。
交換所の近くには用水路が流れており肉を捌く際にも、植物を加工する際にも町の門の近くの用水路を使用する
と、受付の順番が回ってきた
受付のジンが鳥3匹を確認する。
「えっと、ガモ鳥が2匹とヤモ鳥が1匹。そちらの旨そうなウサギは売らないか?」
「ああ、おじいの回復祝いに今晩はウサギ香草焼きだ。」
「そうか、じゃヨハネの爺さんによろしく言っといてくれ。全部で銀貨1枚と銅貨3枚だ。」
「ありがとうジン。おじいに言っておくよ」
「たのむわエルザ。じゃな。」
ジンとはこの町に来た時からの知り合いだ。
とは言ってもわたしはこの町以外を知らない。
ずっとピサロと森で暮らしてきた。
おじいは、この街に来る前は凄腕の冒険者だったらしい。
ダンジョンと呼ばれる魔物の巣窟にて、わたしとスズを拾ってしまい捨てることも預けることも出来ずに・・・結局、二人とも引き取ってしまった。
それから、このビサロに越してきて生活をしている。
わたしはおじいから狩りを習い。スズは薬草の調合を教えてもらった。
わたしは獲物をスズは調合した薬を売って生活をしている。
最近、スズの作る調合薬が高く売れだして生活が大分楽になった。
おじいは半年前に酔っぱらって家の2階の階段から落ちてしまい療養中だ。
最近、歩けるまでに回復し本日がその回復祝いだ。
「ただいま」
「おかえりないお姉。」
「お帰りエルザ。」
「ただいまおじい、スズ。リクエスト通りにウサギだ。それに途中で市場によって香草も買ってた。」
「ありがとう。お姉。旨そうなウサギだ。よく狩れたね」
「スズの痺れ薬が効いたんだ。効かなかったら、そのまま逃げようと思てたけど。上手く痺れてくれた」
それを聞くとスズは上機嫌で獲物を受け取ると台所に向かう。
おじいはそれを見ながら
「エルザ。すごいなマッドバーニーも狩れるようになったのか?」
【マッドバーニー】旨いウサギの別名で頭から角が生えている。角により敵の感知能力が上がり知能が高く残酷である。
「最近、スズがすごい痺れ薬をくれたんだ。そのおかけだよ。でも旨いウサギは動きが速いから一撃で仕留めるのは、まだまだかな」
エルザははそう言って浴槽に行ってしまう。
ヨハネは思う。
中間部のマットバーニーをも倒してしまうのか。腕を上げたもんだ。
そろそろ、剣の防御の修行を始めてみるか・・・
台所ではスズがウサギの調理を始めている。
「ウサギの角はこの瓶にと、爪と鬣はまとめてと・・・香草とオイルを調合して肉を漬けて少し、寝かせて。て、おじい!もうお酒飲んでる。お姉に怒られるよ。」
「うっ。いつもの事だが・・・いつから気付いてた?」
これでも、隠密スキルは使用していたのに・・・ムウ
「なに言ってんの? 勘だよ勘。9割方飲んでるから外れるほうが稀だよ。」
「いいんだよ。今日は快気祝いだし。うん。このエールは最高だな。」
とエルザがワシからエールを取り上げて一気に飲んでしまった。
「ちぇ お姉。下着ぐらい付けてよ。」
「すまんな。スズ。下着が見当たらん。それにしてもスズはペッタンコだな。」
エルザは酒に弱く。しかも、飲むと口が悪くなる。
「はぁ? 成長期ですけど・・・それが何か?」
スズの後ろからどす黒い波動が渦巻いている。・・・
いつも通りのの楽しい会話だ
スズは洗濯籠から服を掴むとエルザに投げ付ける
ゴンッ
エルザの頭に服に紛れていた石が直撃する。
「くぅ・・・今日はこれぐらいで勘弁しといてやる。」
エルザは涙目で浴室に歩いて行く。
恐ろしい戦いだった。普通の石ならエルザには当たらないし当たっても痛がらない。
それだけの修行は積んでいる。いや、わしが教えているんだ。
スズ・・・エルザに石ぶつけ、しかも、ダメージを与えるてどんだけなの?




