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CHAPTER1 夢の力とブラック企業



コスプレイヤーが異世界でまさかの事態に

夏。


今年もやってきた戦の季節は例年以上に蒸し暑く、天気はまさに日本晴れ。無風の会場は熱と臭いで阿鼻叫喚となり、絶え間ない人の波が夢も悲鳴も呑み込んでいった。


コスプレイヤー名「ぽんじり」


平日サラリーマンの休日コスプレイヤーな俺。夏の祭典コミックシティーに向けて休日返上、寝る間も惜しんで造り上げた人気スマホゲーム「テイルズラストオーダー」に登場する騎士のキャラの甲冑に身を包み、仲間たちと共に思い思いのポーズをとると会場の熱気と相まって嫌でもテンションが高まっていった。


三日間の開催も最終日。


超の付く晴れ模様と無風、湿度90%の正に地獄も終わってみると寂しいもので刻々と終了の時間が近づいていた。更衣室が混雑しているのか長蛇の列が外からも確認できた。先に預けていた荷物を受け取りに向かうエスカレーターの途中で知り合いのコスプレイヤーが話かけてきた。


「乙っす!ぽんじりさんこのあと呑みに行きますよね?」


「うーむ、ワンゼに皆集まってるよなぁ。明日からの仕事に響かない程度に行くさ」


「相変わらずブラック勤めご苦労さまだわ。」


夏の祭典が終わっても仕事を休めない(有給申請は却下された)ので、ベロンベロンになるまで呑むと後が辛いのだ。社会人の宿命である。


荷物を受け取り、後は着替えるだけの簡単な作業。更衣室に続くエスカレーターに乗ってふと外を見る。夏の夕暮れは夕日が沈むにはまだまだ遅く、会場を後にする歴戦の勇士達も戦利品の山を担いで帰路に着いているようだ。と、ぼんやりとしていると、目の前が暗く感じた。


「・・・・?」


違和感はそれだけではなかった。気づけば足元が覚束無く、立っているのが辛くなってきた。これは不味い。身に覚えがある症状に危機感が増した。これは


「やべ・・・熱中症だ」


段々と意識も薄れいよいよ危険な状態になってきた。水分補給も塩分補給も怠らなかったのに何故。もうすぐエスカレーターの降り口、事態を察知したのかスタッフも何か叫んでいるが、もう何を言ってるのかわからない。


朦朧とした意識の最後に原因であろう17連勤のブラック企業にどうやって退職届を出すか。


「俺・・・無事に帰れたら・・・転職するんだ・・」


こうしてブラックアウトした視界を最後に、ぽんじりの記憶は途切れた。

どうかな?


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