第970話 1630年鹿島
「ふぅ~久々の茨城だ」
1630年4月7日
数年ぶりに鹿島港に入港すると港は活気づき、様々な異国の旗を掲げた船が出入りをしていた。
国際港鹿島港と呼ぶに相応しい賑わい。
織田信長はと言うと、大阪城港に向かって一度安土に入るという。
「真琴様、こんなに長い旅になるとは思いませんでした」
茶々も久々の常陸国の景色を喜び、
「私たちは異国のほうが長いかもしれません」
そうお初も言いながら鹿島港を感慨深く見渡していた。
「マコ~このまま茨城城に入るの?」
「いや、勿論、鹿島神宮に参拝してからだ」
「そう言うと思ってた。警護の兵を鹿島道場で用意させるね」
出迎えた鹿島港を預かる柳生宗矩の次男に指示していた。
桜が丁度見頃を迎え、春の暖かな日差しが帰国を歓迎しているかのようだった。
鹿島港から鹿島神宮までは石畳の広い道が整備され、馬車が行き来している。
道の両脇には延々、宿屋や飲食店、様々な物を売り買いする商店が並ぶ。
「真琴様、ますます発展してきていますね」
「いや、正直、常陸国を領地にしたとき、ここまで発展するとは思っていなかったよ」
「今では、鹿島神宮、香取神宮、息栖神社は、西の伊勢神宮、東の東国三社として詣で参りは盛んな神社になりましたから」
「目標の一つは達成出来たわけか」
賑わう道を進むと店先には一列に並んでお辞儀をする人々が見えていた。
「良い国になったじゃない」
「お初、本当そうだな」
「ねぇねぇマコ~美味しそうな匂いいっぱいするよ。あとでお忍びで町歩こうよ」
「お江、少しは身分も考えて自重しなさい」
茶々に怒られるとお江は口をとがらしていた。
「料理なら城で女学校の生徒に作らせれば町の味も味わえるだろう?」
「そうですわね、お江、それで我慢しなさい」
「町歩きたいのに~」
お江、キャラブレ本当しなかったな・・・・・・。
鹿島神宮に参拝した後、茨城城に向かった。
 




