第942話 メルボルン城
オーストラリア大陸メルボルン城に到着すると、あることに気が付いた。
「あっ、桃信」
タスマニア島で待機している桃信に、
『無事に帰ってきた、今、メルボルン城だ』
と、電信を送ると、次の日には怒りながら現れた。
「父上様、幾ら何でも酷すぎます。私はちゃんとタスマニアで待機していたのに」
「いや~航行が順調すぎて、ごめん」
「こちらはいつ呼ばれるかとヒヤヒヤとしていたのに」
「本当ごめんなさい」
と、実の息子に怒られる日が来ようとは、と思っているとついついにやついてしまい、それを見た桃信は益々怒り、
「私はここで船を下りて、ケアンズには陸路で帰ります」
と、言って戦艦・国之常立を置いて行ってしまった。
まぁ、仕方がない。
戦艦・国之常立は綺麗に整備されており、いつでも救援の出撃が出来る状態だった。
怒るのも当然か。
「立派な子に育ったではないか。父親を叱れる息子、良いではないか」
と、織田信長は褒めていた。
「育ててくれたのは茶々達ですから。俺は城には居なかったので」
「で、あるか」
と、言葉少ない返事が返ってきた。
「で、どうするのだ?」
「補給を済ませ艦隊編成を整えて、インカ帝国に向かうつもりですが、それとも一度帰ります?日本」
「いや、日本は良い。時間の無駄だ。儂ももう歳、残された時間は限られている。その時間を無駄にはしたくない」
「そう言うと思っていましたよ。ただ数日待って下さいよ。整備と、補給が必要ですから」
ケアンズ城に停泊している織田信長の船も呼び寄せて、潜水艦やヘリコプターや飛行機の整備、食糧や燃料補給を続けた。
その間、織田信長は海亀と一緒にシュノーケリングを楽しんでいた。
本当に元気だな~。




