第847話 空飛ぶ真琴?
「真琴様、毎日のように空に見えているのは義父様なんですよね?」
飛行機の存在を知っているうちの嫁達や家臣達はごくごく当たり前のごとく空を眺めていた。
「うん、佳代ちゃんが言うには、アセナが操縦していて信長様同乗しているらしいよ」
「義父様らしいですね」
と、茶々は笑っていた。
「マコ~私も乗りたい」
と、好奇心旺盛なお江はギラギラした目で見ているが、お初が、
「あのような物、落ちたら大変です」
と、姉としての心配の目線を送っていた。
出撃準備を整えていると、もう一機視界に入り、そちらがどんどんと大きくなりナイル川に着水した。
勿論、降りてきたのは佳代ちゃんで、
「お待たせ。この機体なら二人乗れるよ」
と、降りてきた。
「おっ、真っ赤じゃん。良いねぇ~」
と、目の前に停泊する水上飛行機はエンジンが二つだがスリムなフォルムの飛行機だった。
「うん、ほら、前のは蒟蒻のねずみ色のままで真琴君不満げな顔していたから、鉄分で着色した赤蒟蒻を塗ったの」
「佳代ちゃん、わかってる~~」
と、肩をポンと叩いて言うと喜んでいた。
「これで、黒海偵察くらいは出来るよ」
「おぉぉ、確かにそうだね。しかも、新兵器、相手の戦意を一気に喪失させられるかも」
「真琴君、流石に爆撃とかは無理だよ。そこまで重い物乗せられないもの」
「だけど、敵はそんなのはわからないよね。ちょと考えがあるから大丈夫」
「・・・・・・私ね真琴君の為なら生物兵器も作るけど、あまり撒きたくは・・・・・・」
「はははははっ、俺は悪魔になるつもりなどはないさ。まぁ、見ていて」
と、俺は部屋に戻り準備を始めた。
◇◆◇◆
「佳代ちゃ~ん、乗せて」
「はいはい、お江様なら言うと思っていましたよ」
「ちょっと、お江」
「お初様、大丈夫ですよ。大切な大切な真琴様を乗せるために作った飛行機が危険なはずはないではないですか?」
と、お初様に言うと、茶々様はお初様の肩を叩いて、
「信じましょう」
と、一言だけ言った。
お江様を乗せて軽くエジプト上空を飛ぶと、
「うわ~凄い凄い、上から見るとピラミッドって本当に凄く大きな物だってあらためてわかるよ。うわ~」
と、感動していた。




