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第84話 大津城築城視察・二回目の報告書

大津城築城視察二回目の報告書を右筆の宗矩が前回同様に清書して、翌日には信長に見せられる物を書き上げていた。


大津城から帰ってきたのが日が暮れた夕刻、そこから俺が言ったことをまとめるのだから、宗矩は何時に寝たのだろう?


これは注意しないと、黒坂家はブラック企業になってしまう。


会社ではないから、企業ではないのか?


人使い荒い当主と言われるのか?


だいたい、宗矩が13歳の段階で労働基準法アウトな気がするが、当然ないこの時代は小姓ならそのくらいの年齢は普通にあるらしい。


しかし、13歳は成長期、睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる時間帯には寝かせるべきではと思う。


目の下にはくまが出来ているのにも関わらず眠そうな素振りを見せない宗矩、あくびなど絶対にするものかと言う気迫を感じる眼光が清書された報告書を読む俺を見つめていた。


「宗矩、ちゃんと寝た?」


報告書と何ら関わりのない質問に意表を突いたのか直ぐに答えられず一拍おいて宗矩が、


「はい、一時ほど寝ましたが」


一時ってこの時代の単位を平成の時間の単位にしたら二時間でしょ、そんな短時間な睡眠は良くない。


ナポレオン並か?ナポレオンは隠れて寝ていた噂を聞いたことがあるが、それは今はどうでもよい。


「宗矩、今日は休みとします」


「え?ですが本日の休みは幸村様ですが?」


うちでは現在、安土城屋敷勤めの森力丸、真田幸村、前田慶次、柳生宗矩が一人ずつ交代制で休みになっている。


「今日は、これを力丸に信長様に届けて貰うだけだから警護は慶次がいるから心配はいらない、まともに寝ていない者が働けば何かしらの失敗はある、それに体を壊す、今日は休みなさい」


「私なら大丈夫です」


と、目をパッチリと開け胸を張る宗矩。


若いから徹夜なんて大したことないのかもしれない、いや、徹夜でテンションが高まっているのかもしれない。


テンションが高まっている者が刀を持って近くにいるって凄い恐いことのような気がする。


しかも、柳生新陰流の使い手。


考えると凄く危険な気がした。


「ならん、これは命令だ」


と、当主として命じた。


城主になることを受け入れた以上、家臣の上に立つ立場であることを自分に言い聞かせる意味でも「命令だ」と、言った。


「わかりました、寝ていないことがおきに召さないようなら、昼まで寝させていただきます」


と、言って部屋から出ていった。


真面目だな、宗矩。


慶次なら間違いなく、城下に遊びに行ってしまうよ。


宗矩が清書した報告書に一通り読み上げ、問題がなかったので署名と花押代りの『富国強国』と『抱き沢瀉』の判子を押して力丸に手渡すと、力丸は信長に報告書を届けた。


さしたる特別なことは今回なかったので呼び出しはなかった。


そりゃねぇ、時の最高権力者、織田信長がそう毎回毎回、暇な方がおかしいのだから、特別な技術の提案とかなければ呼び出しはないよね。


ただ、報告書として今回も出したことに信長は満足していたらしい。


結局、お金全部出しているんだから報告ぐらいは最低限しておかないとね。









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