第784話 織田信長80歳
1534年5月12日 生まれの織田信長、1614年5月12日80歳を迎えた。
たまたま、今回は一緒にいるのでお祝いをした。
特に来賓を呼んだ大きな誕生日会ではないが、織田信長はご満悦だった。
「信長様、お誕生日おめでとう御座います。年の数だけケーキに差したローソクを一吹きで消すと良い1年が過ごせるなどと言われているんですよ」
と、入手可能なフルーツをふんだんに挟んだ昭和後半から平成中頃まで流行った、大きなウェディングケーキを用意した。
「常陸、馬鹿か?こんな何段も分かれている80本も消せるか、しかも消えにくい和蠟燭を使いよって」
「あっ、確かに」
「ほら、火は消せ。せっかくのケーキに蝋がたれてしまう」
80本の蝋燭を消し、ケーキを切り取り、皆で食べる。
「うん、美味い。やはり料理は常陸が作る物が良いな」
「ははははは、生クリームケーキなんて、珍しいでしょうから。と、傘寿のお祝いにプレゼントも用意しました。暗黒堕諏部尹打フルフェイス甲胄に御座います」
と、ふりがなをふったら怒られる甲胄を渡すと、
「うむ、なかなか面白い物を作らせたな、貰っておこう。だが、常陸、長寿の祝いという物は数え歳でするものぞ、知っておけ」
「あっ、1年遅れになってしまったんですね。すみません」
「よいよい、それより、儂はもう甲胄は必要とせん。これは80の記念として貰うがな」
「甲胄が必要ない?」
「ふむ、皇帝を信忠に譲り儂は自由となる」
「今までも十二分に自由だったと思うのですが」
「ぬははははははははははははっ、皇帝が旅先で突然消えるのは悪かろう。儂はもっといろいろな国を地を景色を生物を見たいのだ」
「まぁ、確かにナイル川で突然消えられてしまうと困りますね」
「信忠を皇帝とし、秀信を征夷大将軍とする。そして、常陸、『関白』と言いたいところだが、肩書きは長いほうが良いのであろう、よって『太政大臣』とする」
「あ~、はい」
「なんだ、不服か?」
「この前の帰国で信忠様にもその話をされてずっと考えていたんですけど新たな官位を作ってくれませんか?いや、太政大臣の名を変えて欲しいんです」
「何にしたいのだ?」
と、いぶかしげに聞いてきた。




