第755話 人類初実験
1613年7月30日
「カウントダウンを開始します。10.9.8.7.6.5.4.3.2.1.0.点火」
私は織田信長の好奇心を満たすために、火薬の改良を済ませ、ペンシルロケットよりは大きい500ミリのペットボトル三本を縦にくっつけたほどの大きさのロケットを発射させた。
欧州イバラキ城にそれに見合った発射台を設置して。
天文観測台にロケット発射台。
もう、この城はいろんな物が混ざりすぎていて、景観がおかしい。
そんなことは関係なしに、空の上を煙をつなげどんどん進むロケットを織田信長は首を上げひたすら見ていた。
「おぉ、凄いぞ凄いぞ、これは素晴らしい。花火とはまた違った物だ」
と、ロケットの轟音に負けない声で織田信長は感動していた。
空に残ったのは煙だけ。
ロケットその物の行方は観測できなくとも、高高度に上がる煙に満足なのだろう。
「ただいま帰った」
ん?
「真琴君?」
消えぬ煙を見ているさなか、後ろから声をかけられた。
「今、到着したけど、なに作ったの?あ~あ、城こんなに改築しちゃって~、萌な城が燃えな城じゃん」
と、ロケットの煙より、改築されてしまった城を気にする真琴君。
「おっ、常陸、帰ったか、ロケットは良いぞ~」
「信長様に、あれを渡した日からこんな日は来るとは思っていましたが、まさかここまで早いとは」
「え?真琴君はこうなるのわかっていたの?」
「そりゃ~長い付き合いだから、知ったことを実行しようとする信長様を見てきたから」
と、笑ってみせると
「ぬははははははははははははっ、いつ死ぬからわからんからな、出来る物はすべて見たい」
「だからって、俺の萌城こんな改築しないで下さいよね」
「義父上様、お久しぶりに御座います」
「おっ、茶々も来ておったか?見たか今の?」
「いえ、残念ながら、雲の上に光っておる物しか」
「そうか、ならもう一発あげるぞ、佳代、すぐに準備せい」
織田信長は扇子を広げ興奮気に言った。
「そんな何発も作っていないですから。これだって試しだったのに」
と言うと、真琴君は私の肩をポンと、叩いて、
「試し?爆発する可能性もあったんだよね?」
と、言ってきた。
「うっ、可能性は・・・・・・うん」
「やめてよ。信長様には長生きして貰わないと困るんだから。ロケット打ち上げ中止」
と、止めると
「くっ、仕方ないの~」
と、織田信長は残念がっていた。
ふぅ~やっと、織田信長から解放される・・・・・・疲れた。




