表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/1168

第73話 来客

  冬の近江、安土城は寒い。


安土城より北にあっても、大平洋に流れる温暖な海流の影響もあり比較的、暖かい茨城県育ちの俺には身に凍みる。


火鉢で暖まるにも日本の古式家屋は夏を快適に過ごせるよう夏仕様、すきま風が寒い。


冬は服を着こむのが基本らしい。


さらに今日は一段に寒く外には雪が降り積もっていた。


そんな中でも、俺の妻、茶々は律儀に通ってくる。


幼妻で通い妻。


お初と、お江も一緒に来る。


もともと遊びに来ているからなんら変わりがない。


天主の本丸が窮屈なのか?と、気になり聞いてみたら、お江が、


「だって、走り回ると怒られるもん」


と、少し拗ねたように言っていた。


確かに織田信長がいる中でバタバタ騒ぐのは勇気がいる。


織田信長の子育てってどんなんだろう?


最近は三法師も付いてくるのだが、今日は雪の為かいなかった。


茶々が来たからと言って特になにか特別なことをするわけでもなく、俺の軽い身の回りの事をするくらいだったが、お茶を点てるのは毎日の日課だった。


どうやら俺が心のそこから織田信長のお茶に「美味い」と、言った事に対抗心があるらしい。


茶々のお茶は決して不味いわけではないが、織田信長のお茶にはその時求めている温度、濃さ、クリーミーな泡の加減、塩梅の良さがある。


今日のお茶で言えば寒いのだから熱いお茶が飲みたいが、茶々が入れたのは温かった。


クリーミー感は良いのだけど、抹茶ラテだな。


何時ものようにお茶を飲んで、お初とリバーシーをしていると、宗矩が来客を知らせに来た。


「徳川家康様が会いたいと参りましたが、いかがいたしますか?」


って、来ている相手に「いかがいたしますか?」って言われても断れないじゃん!っと、思って少し渋い表情をすると茶々が、


「約束のない客は断っても良いんですよ。なんなら、代わりに私がお会いしましょうか?」


と、言った。


茶々、読心術マジに持ってる?


ちょっと、ハラハラするんだけど。


この時代、妻の権限?女性の地位?は、意外に高く、特に正妻なら当主の代理にもなるそうだが、織田信長が兄弟と呼ぶ同盟者、徳川家康なら会った方が良いかと思った。


「ん~、まぁ、ちょっとだけなら会っても良いかな」


「茶室にしますか?」


と、宗矩が聞いてきた。


「狭い茶室に徳川家康と二人っきりってやだよ」


「では、広間に案内します」


と、言って行った。


「慶次いる?」


「はい、ここに」


と、隣の部屋から声がした。


もちろんサボっているわけではなく、俺達の護衛に控えてる。


「一応だけど、天井裏と床下よろしく」


「かしこまりました」


と、言って慶次が庭に出るといかにも忍であるかのような黒服の家臣が四人現れ、慶次が合図すると消えていった。


天井裏と床下に潜ったのだろう。


「茶々、お茶を運んできてね、苦いぃぃぃぃぃのにして」


「旦那様、陰湿ですね」


え?そうかな?


「お初、お江、頃合いを見計らって乱入してきてね」


って言うと首を横にするお江、


「マコ?」


お初は、わかったようで、


「わかりました、義兄上様」


・・・義兄上様?・・・お兄ちゃんと呼ばせたい・・・


それは後日として、タヌキオヤジと評判の徳川家康と会う段取りをした。


徳川家康、気になる存在。


万が一にも、俺の素性を知られたくない相手でもある。















原作11巻5月25日発売

発売初週売り上げオリコン☆9位☆

オーバーラップ文庫

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

電撃コミックスNEXT

5巻4月26日発売

挿絵(By みてみん)

電撃コミックスNEXT


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i621522 【書籍版案内】 最新情報オーバーラップ文庫公式サイトへは画像をクリック i533211 533215 i533212 i533203 i533574 i570008 i610851 i658737 i712963 本能寺から始める信長との天下統一コミカライズ版☆最新情報☆電撃大王公式サイト i533528 i533539 i534334 i541473 コミカライズ版無料サイトニコニコ漫画
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ