第703話 悪魔に魂を売った男
船首に立った男・・・・・・老人は手には十字軍が持つような大剣を両手に持っていた。
兵士達がその男に向かって銃口を向ける。
俺も愛刀の上杉景勝から貰った合口具えの太刀を抜いて構える。
「何者だ。名を名乗れ」
黒いまかまがしい気を放つ男・・・・・・間違いなく妖魔が取り憑いている。
「クレメンス8世と言う名の肉体だな」
と、言う。
「肉体?」
「この男の魂は予が食らってくれたわ。我が名はアガリアレプト」
アガリアレプト・・・・・・悪魔の名前として学んだことがある。
「悪魔か貴様は?」
「クレメンスは貴様を倒すための力を求めて、予を呼び出したのだ。本来なら配下の軍人の体に降臨させるつもりだったようだが、予はこの男の魂を食らって取り憑いてやった。悪魔の契約だ。その方の魂貰うぞ」
と、大剣を構えたとき、後方から
「撃て、撃て、撃て」
と、お江の発砲命令が下された。
兵士達はアガリアレプトに向かって次々に発砲するが、大剣を軽々と振るうと弾をはじいて防いでいた。
「くわっははははは、くわっははははは、人間のそのような武器が効くと思ってか。幾万人の血肉をアイアンメイデンで絞り飲んできた予は今、最高の肉体ぞ」
「祓いたまへ清めたまえ・・・・・・・・・」
鹿島の大神の力を借りるために祝詞を唱えようとしたとき、アガリアレプトは、
「唱えさせるか」
と、一足飛びで俺に斬りかかってきた。
ゲームや漫画とは違う。
実際の敵という者は相手が呪文を唱えるならそれを阻む者だ。
そのため前衛となる剣士や戦士が必要。
俺の今目の前の前衛・・・・・・お江と、ミライア・・・・・・。
俺の家臣の最強剣士グループは他の艦長としてしまっている。
柳生宗矩、真壁氏幹、佐々木小次郎、柳生利巌・・・・・・槍の名手、前田慶次、真田幸村。
俺の船は紅常陸隊の兵士が多く、そこまでの剣士は俺の護衛として着いている側室だけだ。
祝詞が唱え終わるより早い・・・・・・間に合わない。
あの剣はいくらお江だって受け止められない。
お江は俺が教え込んだが強剣ではなく静かな剣、暗殺向きになっている。
無理だ。
俺はお江の肩を掴んで後ろに払い前に出て、太刀で受け止めようとした。
大剣を鹿島の大神の力を宿していない太刀で受け止めるのは不可能。
一太刀で俺の太刀は砕け散った。




