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第68話 準備

織田信長の姪で、養女の茶々と結婚する。


大津城の城主になる。


大津と言っても茨城県最北端の駅の名前ではない。


近江、琵琶湖湖畔、京都と安土を結ぶ交通の要所。


重要ポイントだ。


家臣は森力丸、前田慶次、柳生宗矩、真田幸村、そして、蒲生氏郷。


この五人は家老職と改めた。


筆頭家老は若輩ながら、俺の秘密を知っているからこそ、森力丸。


その下に配下となる部将?侍大将がおりさらに足軽がいる。


うぅぅむ、どんどん家臣が増えているらしい。


さて、前回花押を定めていないことが発覚した。


いや、手紙書く機会無かったから気にしていなかったわけだが、『花押』とは、簡単に言えば名前の後にゴジャゴジャと書くサイン。


手紙の偽造防止であるため複雑。


有名な花押と言えば、織田信長の麒麟か?


躍動感がミシミシと感じられてカッコいいけど良く毎回毎回同じのを書けるなと、感心する。


豊臣秀吉に謀反の疑いをかけられたとき、伊達政宗は証拠となる一揆を扇動した書状に『鶺鴒(セキレイ)』の花押の目に針の穴が開いてない!これは偽の書状!と、言ったという逸話のが有名だろうか?


俺も自室に籠って練習してみた。


故郷の鹿島にちなんで、鹿をモチーフにしながら書いてみたが、形は出来ても同じのを毎回書くのは至難の技だった。


部屋中、紙だらけにしたぐらいで宗矩が昼飯が用意できたと呼びにきた。


「御大将何事ですか?」


城主に任命されたぐらいからか家臣達は俺を『常陸様』から『御大将』と、呼ぶようになりつつあった。


「いや、花押の練習をしていたんだけどね」


「なるほど、で、この有り様ですか?」


と、失敗した紙を集め出してくれていた。


「判でも代用可能なんですが」


「え?そうなの?」


「はい、通常は花押を書いたら判を押さず、判を押したら花押は書かなくても良いのですよ」


「なら、判子注文しようかな?」


「はい、では、何と彫らせますか?」


あ~『天下布武』みたいなことか。


なんとなくだが頭をよぎった文字は、歴史で習っていた『富国強兵』。


『富国強兵』って富んだ国は良いのだが強い兵ってのが軍事独裁政権みたいで何か嫌だ。


城主、民の上になる以上、民にも理解してもらえるようには・・・


強い国。


兵も強い国、経済も強い国、災害にも強い国、強い団結の国。


紙に書いた。


『富国強国』


「これを彫ってもらって」


と、宗矩に渡すと、


「富んだ強い国を作りたいとの意味ですね、よろしいかと思います」


と、言ってくれた。


「あと、抱き沢瀉の家紋も判子作れるかな?結構大きめで」


「もちろん可能ですのですぐに手配いたしますが、家紋の判子などなかなか珍しい物をお考えですね」


「うん、文字だけより、絵柄の判子もあれば偽造難しくなるでしょ?」


「はい、よろしいかと思います。それと、兵士たちに持たせる旗を作らねばなりませんが『抱き沢瀉』の家紋でよろしいですね」


「もちろん、構わないのだけど、『抱き沢瀉』の上に信長様の家紋?旗印入れられないかな?」


「永楽通宝に御座いますか?家紋を拝領されれば使ってもよろしいのですが」


「拝領か、いやね、兵だって結局は信長様からの借り物だからさ」


と、話しているといつまでも昼飯に現れない俺を茶々が見に来ていた。


「常陸様、旗印のお話ですか?伯父上様から言われませんでしたか?私が輿入れして、一門衆になるため『揚羽蝶』を贈ると言っておられましたが」


と、茶々が言っていた。


ん~そんな話聞いてないけど結婚するときや褒美に家紋を与えると言う風習は知っている。


「『揚羽蝶』かぁ、信長様って気が利くね、桓武平氏だってのをちゃんと覚えていてくれてるんだから、宗矩、揚羽蝶の家紋を上にして下に抱き沢瀉の家紋で旗をお願い。布地の色は深緑が良いのだけど出来るかな?」


「やらせてみましょう、すぐに手配いたします」


「常陸様はいちいち伯父上様の機嫌を気にしていらっしゃいますね」


と、冷めた目で俺を茶々は見ていた。


だってやっぱりちゃんと気にしないと、家臣ではないけど給金を貰っている以上、上司、雇主だもん、気にしないわけにはいかないよね。





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[気になる点] この時代って紙貴重品じゃぁ…(げふんげふん
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