第679話 磯原佳代
《タイムパラドックスにより私たちが知る世界とは全く別の世界線。タイムパラドックスと言う不確定な物で連続した時間線なのかも不明な世界線。語り継がれる黒坂真琴物語の中でも分岐がされた時間線の一つの時間線上。パラレルワールドの一つ》
私はただただ、黒坂真琴にもう一度だけ会いたかった。
会いたかったからタイムスリップについて私は研究した。
ひたすらに黒坂真琴に会うためにはどうすれば良いかと。
だが、タイムスリップをした場合、自分がいる世界が変わるのかと考えだした。
自分がタイムスリップをしたとした場合、過去は改変され未来は変わる。
そうなると私の存在自体が不明確な物になる。
と、なるとタイムマシーンの開発もされなくなる。
その矛盾点を突き詰めた結果、ある仮説を立てた。
それは、パラレルワールドと呼ばれる無限大の異世界と呼ぶべき時間線が存在すると。
私が知っている黒坂真琴は織田信長を本能寺から救い出して、出世して世界へ進出。
アメリカをイスパニア帝国から解放した後、バミューダ海域で行方不明となった歴史。
だが、黒坂真琴が歴史の改変者なら黒坂真琴は織田信長が明智光秀に討たれる歴史上の線から過去へと向かった人物。
歴史線はいくつも存在する。
観測した者は一本の時間線を過去に戻った行った後、未来に帰っても同じ世界とは限らない。
タイムマシーンはその観測者の歴史線の一本を変える事しか出来ないのではと。
その立証を数式にしたとき、私は気が付いたら国際的物理学賞を受賞していた。
そして、私は株式会社常陸技術開発研究製作所でそのマシーンの開発にのめり込んだ。
どの時間線であろうと良い、私は黒坂真琴に会いたいだけ。
マッドサイエンティストーカーとレッテルを貼られても良いの、私はしたいことだけを追求する。
そして、今日私は過去に向かう。
ほぼ一方通行の旅、黒坂真琴が存在する時間線を引き当てなければならない一か八かの実験。
その実験に真琴君の一族が集まって陰陽の力を科学に注ぎ込んでくれた。
あとは私の運任せ。
ガルパンの最終回も持ったし、電子辞書も持った。
さぁ、神よ私に味方をしなさい。




