第675話 トレビの泉?
前田慶次からのローマ陥落の知らせを聞き、すぐにローマに向かった。
イタリア半島の陸戦に十分な戦力を送り込むために視察も兼ねて。
クイリナーレ宮殿に入ると、執務を真面目にしている珍しい姿の前田慶次は算盤を弾いていた。
うん、前田利家譲りなのか?やはり算盤に行き着くのか?
一通りの挨拶と報告事項を聞くと前田慶次は、
「御大将、お願いの義があります」
と、言ってきた。
「叶えられる願いなら叶えたい。言ってみろ」
「私はこの地で余生を過ごしたく」
前田慶次にはローマが似合う。
勝手にそう思い送り込んだのだが、風流を愛する前田慶次はやはり気に入った様子だった。
「前田慶次、イタリア半島切り取り次第としイタリア藩藩主とするよう上様に頼む」
「有り難き幸せ」
と、前田慶次は頭を下げた。
当然ながらその前田慶次、イタリア藩藩主と言う願いは聞き入れられた。
ただし、俺の支藩扱いで監視を怠ることないように織田信長に言われた。
一段落してローマの街を視察する。
ん?
・・・・・・?
ん?
・・・・・・?
「ない!ない!ない!」
「マコ~何がないの?」
「トレビの泉って言って綺麗な噴水があるはずなんだよ」
「ん?単純にそれってこの国がこの後に作る物じゃないの?」
「あっ、俺が介入してしまったから作られない時間線になってしまったのか、あれは古代遺産だと思っていたが違うのか」
見たかった憧れの観光名所がないって言うのはかなり衝撃的に残念だ。
「作るか・・・・・・」
「うん、マコらしい噴水作っちゃいなよ」
と、お江はなにやら期待を込めてニコニコしながら言っていた。
俺らしい噴水広場・・・・・・やるか!
デザインを書き石工職人に渡すと、みんな額から脂汗を流しながら、これを作るのか?
と、言う顔をしていたが、お江だけは、
「さぁ、みんな、頑張って作って。監修は私がするから」
と、乗り気だった。
頼もしい同士に成長した、お江。
お江に噴水広場を任せ、ジブラルタル城に増援の指示をだしたりする執務に入った。




