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第66話 大津城築城視察・雷避け

 男の子なら建築現場も興味津々なんだろうが、お江は走り回って飽きたらしい。


流石にお初はそんな表情は出してはいないけど口数は少なかった。


茶々は自分が住む城になるためか真剣に絵図面を見て、俺の言葉も気にしていた。


「今日は帰るか」


と、言ってもと来た本丸の桟橋に歩いて向かった。


お江とお初はさっさと走って乗り込んで行った。


俺は今一度振り向き、自分の城になる本丸天守を上から下までじっくりと眺めた。


ん~、自分の家が二十歳にもならないのに持てるって、未来の知識を評価してくれる織田信長に出会えてこそか。


未来の知識・・・・・・。


「そうだ、避雷針つけてよ」


「ひらいしん?」


再び氏郷は首を傾げていた。


氏郷、ごめん、明日きっと首痛くなるよ。


「雷避けのことなんだけど」


「雷避けならあちらにすでに乗っておりますが」


と、自信ありげに瓦でできた鯱を手のひらを掲げて指していた。


「鯱や懸魚は雷避けって言うか火事除けの呪いの類だよね?天守に雷はどうしても落ちやすいから、その雷電のエネルギーを地面に流さないと火事になっちゃうよ」


「えねるぎ?」


首を傾げ、腕を組みだしてしまった氏郷。


「常陸様」


と、力丸が忠告のように俺の名を呼んでいた。


「とにかく、雷は高いところが好きなわけでそれを地面に流す仕組みがあるのね、で、本丸天守は建てちゃった訳だから、屋根に銅で作った槍?矛?を立ててよ、鯱より高い位置で、で、それを銅で作った鎖で地中に刺した槍?矛?と、つなげるの、そうすると雷が落ちても火事になりにくいから、で、これから作る櫓とかには銅で作った鯱を載せてそれを銅の鎖で地中につなげて」


と、説明しても納得がいかないのか傾げた首はまっすぐにはならなかった。


「氏郷殿、常陸様の言うことは伯父上様が認めますので、すべて言われた通りになされよ」


と、茶々が言った。


無理強いは良くない。


納得してもらえば良いのだが、どう説明していいものだか悩んだ。


俺、高校生だもんそんなの説明できるほどの語彙力ないよ。


だいたい、平成の科学でも避雷針でなぜ雷が避けられるかって近年になってようやく科学的に説明されたはずなんだよ。


大規模な人工落雷実験装置のおかげじゃなかったかな?


昔はとにかく金属に雷落ちるってのが言われていたけど、高い所のほうが落ちやすいとか証明されたんじゃなかったかな?


雷ねぇぇ・・・雷神様・・・神様?


「神様は、先の尖ったものを好むと言われているはずですが知りませんか?雷神様がその矛に降りて、その力を地中に誘導するお手伝いをする、いかがですか?」


と、両手をパンと、一叩きした。


「なるほど、正月の年神様を迎える松というわけですか、納得いたしました、すぐに作らせましょう」


氏郷っていつ洗礼受けるんだっけ?あれ?俺が主人だとそのルートもなしになるのかな?


俺、いろいろ影響与えすぎてるよな~やっぱし。


とりあえず、今日、見た段階での指示は一通り出せたので、安宅船の甲板で早く早くと手招きをしているお江もいるので船に乗り込み帰ることとした。


船中、宗矩は俺が言ったことを清書してまとめていた。


よく酔わないね。


俺はまた気分が悪くなり横になると慣れないことをしたせいか疲れからか眠りに入った。


茶々の膝枕で寝るのって心地よくない。


やっぱり堅いよ。








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