第634話 サルデ-ニャ島サッサリ攻略戦・その2
「よし、我が艦隊は敵から見える位置に停泊、水面警戒厳となせ」
と、指示を出すと北斗七星桃信様が、
「幸村殿、敵の見える位置でそのまま停泊だとあからさまに何かを待っているように見えませんか?」
「確かにそれは有りますね。こちら側の意図がわかってしまうかも」
「つかず離れずで艦砲射撃をしてはいかがかと?」
「いや、それでは無傷で城塞を手に入れる目的が得られなくなると同時に、猿飛佐助達を危険にしてしまいます」
俺は北斗七星桃信様の言葉を聞きつつ、地図に目を置いた。
・・・・・・。
「よし、少し離れた海岸線から上陸する素振りを見せましょう」
「陽動作戦と言うわけですね」
「はい、海岸に上陸するかのように艦砲射撃をし、小舟をギリギリまで近づけます。相手が兵を出して防御の陣を構えたところで撤退、そして、また別の場所を艦砲射撃する。それの繰り返しを行います」
「なかなか良い手ですね」
そんな話しをしている中、艦隊の陣形の外側では水柱が時々上がっていた。
敵の水中を進む船が接近しているのだろう。
泊まっていれば格好の餌食になってしまう。
陽動作戦でありここにとどまらない作戦に切り替え、サッサリの北側にある海岸線を艦砲射撃で砲撃し、上陸部隊を出す素振りを始めると案の定、敵は上陸されまいと海岸線に兵士を出陣させた。
それを見て上陸部隊に撤退をさせ、再び違う場所を艦砲射撃で砲撃した後、上陸する素振りを見せた。
それを四度繰り返すと2日がたっていた。
「よし、約束の期日、サッサリに戻るぞ」




