第606話 右大臣黒坂常陸守直営・スパテルマエリゾート・イバラッキー
神聖ローマ帝国の影響がなくテルマエ文化が発展しなかったイスパニア各地に銭湯の設置を開始した。
勿論、織田信長・蒲生氏郷の許可はもらい、ジブラルタル・マドリード・リスボン・バルセロナの四カ所を先ずは営業開始。
ちなみにイスパニアでの俺の領地はジブラルタル城を中心としてその周辺で東西全長100キロほどが領地としてはなっている。
最早、石高では表せない。
オーストラリアの大半も領地な為、石高換算にすると計算が出来ない。
換算するとしたら1000万石は超えている。
右大臣黒坂常陸守直営食堂の売り上げや、交易での利益などもある。
兎に角、潤沢な資金はある。
それを活用して、インカ帝国からの技術支援で石造りのテルマエ銭湯を設置していく。
男女別・露天風呂付き・サウナ付き・プール付き・マッサージ師あり・介護士あり・理髪店あり・食堂あり・簡易宿泊施設あり・泡姫なし・福島県いわき市にあった巨大温泉リゾート施設の縮小版だ。
そこに「右大臣黒坂常陸守直営・スパテルマエリゾート・イバラッキー」と看板を出す。
風呂だけは貧しい者も入れるように無料とし、他に付随するサービスは有料とする。
風呂が体に良くないと言う似非科学が浸透してしまっていたが、天然痘の流行を防ぎ、他の流行病の対策に乗り出し一定の効果が出ている今「右大臣黒坂常陸守直営」と言う名は風呂が体に良い物と認識させるのには時間は必要としなかった。
勿論、運営スタッフは学校でいろいろな知識を学ばせた卒業生達を活用する。
右大臣黒坂常陸守直営食堂のスパリゾートバージョン。
完成した右大臣黒坂常陸守直営・スパテルマエリゾート・イバラッキー・ジブラルタル店にオープン前日に側室達を連れて行くと、
「お風呂・・・・・・苦手で・・・・・・」
と、ミライアは抵抗していたが、サウナで汗を流し水風呂で開いた毛穴をキュッと閉め、瓶に入ったフルーツと合わせた牛乳をくいっと飲んで、露天風呂に入る頃には
「・・・・・・気持ちいいです」
と、虜になっていた。
アセナも抵抗していたが、
「アセナちゃん、お風呂でマコの背中洗ってあげると喜ぶよ」
と、お江が悪魔のささやきをするとアセナも風呂に入った。
「どうだ?露天風呂気持ちいいだろう」
と、地中海を見ながら言うと、
「うっ、うん。勘違いしないでよ、おにいちゃんが喜ぶって言うから入ってあげたんだからね」
「ははははは、そうかそうか、ゴシゴシと肌を洗う必要はないが、毎日入浴して汗は流して体を温めるようにしてくれ。女性は特に冷えが大敵だからな」
「冷えるのは良くないの?」
「俺の子を産みたいなら間違いなく冷えは良くないぞ」
と、教えるとその日からアセナも毎日入浴するようになった。
入浴したあとマッサージルームで香油を塗って貰うアセナの肌は小麦色が綺麗にテカり美しく・・・・・・美味しかった。




