第605話 真琴様はアセナとミライアの体臭がお好き
「ふぅ~、極楽~極楽~ぷしゅ~~~~~~」
俺は昼間の執務を終えると城内にある風呂に入る。
最近風呂に入ると、可愛いOLさんがお酒を飲んで心の叫びを出してしまうように俺も、それを口に出してしまう。
ジブラルタル城では、五右衛門風呂から進化させた湯沸かし釜を金属製の配管でつないだ大きな石造りの風呂を設置、一回に10人ほど入れる風呂だ。
ちょっとした旅館の大浴場くらいはある。
一番風呂に俺が入ったあとは時間で男女を区切って城に住む者、働く者に開放している。
他にも郭毎に小さな風呂が設置してあり、火の見張り番専任の者を張り付かせている。
「本当にマコはお風呂好きですね~」
と、学校の仕事を終えたお江が当たり前のごとく今日は一緒に入浴だ。
もう長い付き合いなので特別な事ではなく、時間さえ合えば他の側室達も入ってくる。
背中洗いを交代でしてくれている感じだ。
「風呂は日本人の心だろ?」
「ん~マコが来るまでは蒸し風呂が普通だったんだよ。確か大津城建設くらいからマコがこだわりだしてそれが広まったけど、それに湯船ってゆっくり足延ばして入るってより深い立ち湯だったりしたし」
戦国時代から江戸時代初期は蒸し風呂で汗を流す程度が主流だったと聞いたことがあるが、確か江戸が埃っぽくて土木建築を生業とする者が汚れを洗い流すのに浴槽の文化が発展したとか、一説にはあったはず。
それに浴槽も浅めの尻を置いて座る湯は、年老いた豊臣秀吉が入りやすくするために浅い風呂になったとかの説もある、武田信玄の隠し湯など平成に残っているのが立ち湯だったりするし。
「そういえば、何かと俺に抱かれようとしているアセナも風呂で迫ってこようとしないなぁ~」
と、呟くと、
「ん?アセナちゃんもミライアちゃんもあまり入浴はしないみたいだよ?」
「え?そうなの?」
「マコ~たまに2人ともちょっと香水とかで匂い誤魔化してるの知らないの?ミライアちゃんが香水かな?アセナちゃんは香油みたいなの塗ってる。たまにかけ流して洗ってるくらいみたいだよ」
「え?若い女の子特有の体臭と香水が混ざって少し香ばしくて好きだったから何とも思わなかったが」
「マコは本当に女の子の匂いが好きですね~、あはははは」
「あ~この時代だと確か水の毒が肌から入るだのの似非科学が信じられているんだっけ?うちの水は綺麗なのに。それに風呂で体温めたほうが免疫力が高くなったり自律神経整えたりするのにな」
「ん~マコのその知識のうんぬんかんぬんは、別として単純にお風呂は気持ち良いから好き~」
うちは堀の水を確保するのと町整備で上流から石管の水道で水を引いている。
汚水も川に捨て入れるのを禁止して下水道も整備している。
中世ヨーロッパでは汚水を川に捨て入れる物だから、川は濁りその水を飲むために濁りを誤魔化すのに紅茶が発展したとか、まことしやかな話も昔聞いたことがある。
「あっ、学校も生徒も風呂あまり入らないのか?」
「うん、寮にはお風呂ちゃんと付いてるけどね、入らない文化で育った子もいるし、貧しい出身だとお風呂も珍しいみたいだし」
「ん~、風呂を毎日入るように生活指導しなくてはな、お江」
「はい、了解されました」
「ははははは、頼んだぞ」
お江に背中を洗われながら風呂文化改革を考える。
テルマエだな。
テルマエ造るか、いや、ハワ●アンズみたいな大きな与一露天風呂造りたいな。
よし、和式テルマエを造るぞ。
ん?単純に銭湯だな。ははははは。
ハワイ●ンズみたいなプールも作りたいな。




