第592話 バートリ・エルジェーベト
ふふふっ、こんなに若い果実がいっぱい。
もうワクワクしてしまうわ。
美味しそう。
でも、まだ食べては駄目よ。
まだだめ。
私は、まだ信用を得ていないのですもの。
ハゲネズミにはすぐに気に入られたけど、思ったほどハゲネズミは黒坂真琴とは親密ではなかったわ。
前田利家は、くそ真面目に東洋の算術板をパチパチ鳴らしては喜んでいるし、その妻、前田松がなにか怪しんでいるわ。
私はそんな愚かではないわよ。
先ずは、黒坂真琴の信用を得るために、この学校で良き先生を演じるのよ。
そう、若い果実をいっぱいいただくために。
真っ赤に熟した時に美味しくいただくために。
その時が来るまで辛抱よ。
さぁ、育ちなさい。
熟して美味しくなりなさい。
私が作ったプレス機で潰してあげるわ。
ふふふふふっ。
真っ赤なジュースを私はいただくのよ。
そう、お風呂にも入れられるくらいいっぱい欲しいのよ。
あ~待ち遠しい。
☆☆☆
バートリ・エルジェーベトは常陸国立茨城城女子学校ジブラルタル校の一般教養教師として、そして、生活指導の教師として活躍していた。
ちょっとだけ暴力的指導があると黒坂真琴の耳にも入るが、黒坂真琴は時代的にはあり得る事と様子を見ることにした。
信頼出来る側室達も教師をしているため、任せた。




